超特ダネ!リンチ版「砂の惑星デューン」のファンエディット3時間版が4K化!! | 映画復元師シュウさんのブログ

超特ダネ!リンチ版「砂の惑星デューン」のファンエディット3時間版が4K化!!

特ダネだよ! 

そこの奥さん!! 

僕以外にも、リンチ版「砂の惑星デューン」をリンチの素材だけで再構成した猛者がいるが、一番の猛者がスパイスダイバーさんなんだけれど、なんと今回4K版を作りやがった!! 

Dune 1984 Alternative Edition Redux edited by Spicediver / 

Subs: EN/ES/PTBR / 4K Upscaling via AI

これがとても良い!!!! 

メチャクチャ高画質!! 

 

過去に、彼(?)が制作した砂の惑星”遍歴”がこちらだ。

2017年にYOUTUBEにアップされていたこちらがSD画質(DVDレベル)のみだったから、比較すると、今回のすばらしさは一目瞭然だ。

 

有難いことに(?)、このバージョンは期間限定なしで視聴できる。

ただし、英語とスペイン語、それにポルトガル語の字幕のみ。

日本語の字幕はないから、そこはご注意を!

 

注1:私が編集した「砂の惑星デューン 究極試写版」を期間限定で公開したことがあるが、著作権の関わる動画なので、個人的には恒久的にアップしておくのはやはりマズイと考えて削除した。

楽しみにしていた皆さん、本当に申し訳ない…。

 

注2:なお、著作物をアップした場合、著作権者からYOUTUBEにクレームが行くが、動画の再生回数に応じた「収益」は、アップした人物ではなく、クレームをつけた著作権者に支払われるので、アップした人物が何らかの訴えを受けることは”あまりない”。

その辺りはYOUTUBE側が対処してくれる。

 

 

この動画に添付された解説を読むと、どうやら、スパイスダイバーさんご自身が4K版を作ったのではなさそうだ。

ガブリエル・ウォーズというハンドルネームの方が作業を行ったようだ。

僕と同様に、AI技術を使ったアップコンソフトで4K化に至ったとも記している。
 

なお、8月下旬には劇場公開版が4Kで初リリースされたが、この動画がYOUTUBEにアップされたのが9月11日だから、そんな2週間足らずで4Kにするのはいささか疑問が残る。

 

もしかしたら、4K素材は一切使わないで、従来より発売されているフルHD素材を4K化したのかもしれない。

 

以下に、動画に添付していた解説文を載せる。

翻訳ソフトを使用して翻訳したから、若干不具合があるかもしれない。

そこはご愛敬で。

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このプロジェクトは、ガブリエル・ウォーズによって4K解像度に完全に改善された物です。

 

4KにアップスケールするためにAIを使用しましたが、正確には劇場公開版には存在しない(削除された)元素材が良い品質ではなかったため、いくつかの部分は100%の品質ではありませんが、できる限りのことをして、本当に誇りに思える結果をもたらしました。

さて、このプロジェクトは一体どんなものなのでしょうか。
 

Dune (1984) Alternative Edition Redux fanedit - デイヴィッド・リンチの名作映画の失われたバージョンで、全てに英語の字幕がついています。
基本的にこのバージョンは、"ファンエディット"というコンセプトから生まれたものです。

 

映像&音響の世界で活動する人々の、世界的な匿名のクラブのようなもので、中には映画スタジオの中で活動している人もいて、有名な作品やそれ以上のものに関する多くのアーカイブ資料にアクセスできます。
これらはすべて、著作権に関する法律の範囲外で行われるため、これらの人々の身元は不明です。


今回の場合、「スパイスダイバー」は個人だと思われますが、匿名のクリエーターのグループのペンネームである可能性もあります。

したがって、このバージョンの制作者は、多くの人が失われたと思っていた資料にアクセスできるその道のプロであり、数年の調査の末に復元されたものであり、この場合は「スパイスダイバー」という一人の人物であるかどうかはわかりません。

このバージョンは、実はデューンを復元する初のプロジェクトの第3版としてすでに発表されています。

以前のバージョンもリリースされていますが、個人的には観たことがありません。

 

今回の最後のバージョンは、アクセスした誰もが本来観たがっていたバージョンでしょう。
そして、この作品について肯定的に書かれていることは、すべて真実です。

Dune Remixはリンチのヴィジョンに限りなく近いものです。

作者はオリジナルの脚本にさえ従っており、すべてのシーンはこのバージョンでは正しい時系列順と本来の意図に沿って再構成されています。

 

プロデューサーのディノ・デ・ラウレンティスが撮影を許可しなかったため、(脚本にある)すべてのシーンが存在するわけではありませんが、スパイスダイバー氏によると、カットされたシーンの多くは、数十年前にリンチ監督が脚本を書き、計画した内容に沿って、可能な限りシーンごとに忠実に映画を復元するのに十分なものでした。

さらに、スパイスダイバー氏は単に映画を作り直すだけでなく、追加されたすべてのシーンを技術的に改善しようとさえしました。

音の面でも、画像のクリーニングの面でも。

確かに、オリジナルのシーンと新しく挿入したシーンの間には、欠落した素材の扱いが非常に悪くて、明らかな齟齬が生じている場合がありますが、とにかく全てが上手くいっており、デューンファンはこのバージョンを観るのが好きでしょう。

特に、リンチ監督の映画だけでなく、フランク・ハーバートの小説のファンであればなおさらです。
これまでのデューンは、このバージョンほど原作とは一致していませんから。

小説を、物語の中でいくつかのユニークなパートで章分けしているこのバージョンでは、小説のロジックも再現されており、文学的な起源に非常に忠実なデューンを観ていると、すぐに感じることができます。
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ガブリエルさんの解説にもある通りの、本当に素晴らしいバージョンなのだが、解説で指摘されているような、「リンチの構想に近づけた…」という部分には若干の違和感を感じる。

 

違和感をざっくり言うと3つに絞られる。

 

①リンチの脚本では、この動画のような4つの章には分けられていない。

②このバージョンは、エンディングが(どちらかというと)原作に即していて、リンチのラストではない。

③ナビゲーターが消滅するのがラストになっている。

 

※以下、ラストのネタバレを含むからご注意を。

原作では、ラストでポールが”奇跡の雨”を降らすことはないのだが、リンチ版のラストでは”奇跡の雨”が降り注ぐ。

 

確かにリンチの脚本の第6稿までは、ラストで雨が降ることは無いのだが、最終稿である7稿に至って、雨を降らせているのだ。

 

※詳しい脚本は、以下のサイトで読める。

 

この改変には、「アラキスの生態系がめちゃくちゃになる!」という理由から、原作のファンのみならず、原作者のハーバート自身も異論を述べているようだが、リンチとしては、”もう一押し”の盛り上がりを欲したのであろう。

 

なお、上映時間短縮のためにスタジオが手を入れたのは、この7稿より後なので、あくまでもこの7稿までがリンチの構想である。

 

それなのに、雨の降らないラストを採用しているこのバージョンは、リンチというよりは、原作に即したものと考える方がしっくりとくる。

 

そして、もうひとつ。

このバージョンでは、ラストで雨が降らない代わりに、ポールの力によってナビゲーターが消滅するように変更されているのだ。

本来は、ポールがクイザッツ・ハデラッハに覚醒するときにナビゲーターは消滅する。

スパイスダイバーさんとしては、”奇跡の雨”を無くした埋め合わせとして、ナビゲーターの消滅を持ってきたのだろうけど、ここの改変はリンチの脚本には即していないのだ。

 

この編集にした気持ちは凄く分かるし、それなりに話がスッキリするとも思う。

 

だが、リンチの脚本を読み解くと、そもそも「男」が生命の水を飲んでも、中々クイザッツ・ハデラッハの高みに到達できないのは、精神世界の上で、ナビゲーターが邪魔をしていて、超人になろうとする男を片っ端から殺していたからなのだ。

だから、ナビゲーターを倒してクイザッツ・ハデラッハにならないと、リンチ版の構想とは言えないのだ。

 

・・・と、色々言っても、このバージョンが本当に素晴らしい仕事をしているのは事実だ!

私が編集する際にも大いに刺激を受けたし、参考にもさせていただた。


スパイスダイバーさんも、4Kにアップスケールしたガブリエルさんも、みな”魂の戦士”だ!!

敬意を表したい!!