徹底比較 あんた誰? | 映画復元師シュウさんのブログ

徹底比較 あんた誰?

今回は、DVDなどの映像を元に検証してみよう。


まずは、メイキング本に載っていた 

街の女性スチールと、DVDBOXに収録されていた

デカード婦人のスチールだ。



「メイキング オブ ブレードナンナー」日本語版の初版より

貴重な写真が多数載っていて興味深かった。



DVDの未公開シーンから

ある意味、一番ショッキングだったデカードと奥さんの

2ショットスチール。こんな写真まで撮影していたと

なると、未公開“お宝トンデモ”映像は まだまだ

存在するのかもしれない…


確かに、にーぜきさんの指摘されたように

これだけだと、上下の女性が同一人物か

どうかは、まだまだ確信が持てない。


けど、やはり似てるとも、思う。

  

■どんな人物だったんだろう・・・

  ある日突然
  鞄一つで無言のまま出てゆく妻。
  以後、風の噂で消息を知り、
  捜査の途中で出会う女性の、
  横顔のシルエットに面影を見たり、
  いつの日か出て行ったドアの前に、
  妻が立っているのを夢想したりする―
  ハードボイルドにある設定だったりします。
  写真を大切にしているデカード・・・
  お互い本当に嫌いで別れたのではない気が・・・


という、WOWさんのご指摘ように、未練がましく

奥さんの写真を掲げていたデカード、

やはり、「忘れられない→過去を引きずる→負け犬」

という、フィルムノアールの本質があるのかも

しれない。


にしても、この写真だと気の強そうな女性ですよね…

なんか、振り回されっぱなしだったデカード、

てのもなあ(^^;)

一体どうして奥さんは出て行ったのだろう?




続いては、にーぜきさんからのご指摘(?)


  ■CGです

  奥さんとの写真はCGです。
  ほんとはいません(笑)偽の記憶です。
  レイチェルの子供のころの写真の背景の家と似てると

  思いません?

  CGデータの家で、使いまわしです(大笑)気づけよ、

  でかーど

この指摘も大変興味深い!

ちなみにデカードの写真とレイチェルの写真を比較すると…



デカード婦人との2ショット引き画。

日差しを浴びたバルコニーが、何とも映画全体の雰囲気とミスマッチだ。

まあ、“失われた在りし日”の表現には、このような明るい写真の方が

効果的なのか?


こちらは、レイチェルが持っていた“偽の記憶”写真

やはりこちらも日差したっぷりのバルコニー。はやり違和感がある。


確かに似ている。

恐らく、実際の撮影でも、「同じ家」の「違う箇所」で

撮影されたと推察される。


興味深いのは、両方とも 映画全体のトーンと食い違う

「明るい日差しの中のバルコニー」で撮影されたもの

だということだ。


色々な推察は出来るわけで、映画の演出上、「思い出」を

表現するには、「明るい雰囲気」を狙ったほうが、

より「失われた日々」を強調出来ると、監督が考えたのかも

しれない。


または、にーぜきさんの指摘されたように、これらの写真も

「デカード=レプリカント」説を強調するような、細かい演出

なのか?

デカードの写真も、レイチェルの写真も、

「映画にミスマッチな雰囲気=作られたニセモノ」だからこそ、

2つともワザと同じような背景にして、

観客に「あれ?2枚とも似てるじゃん。ということは、

デカードの写真もニセモノ? とすると、デカードも…」

てな感じで、気付いてもらおうと考えたのか…


いやあ、ブレランは本当に奥が深いですわ!


WOWさんとにーぜきさんの両者に感謝です!!