毎週日曜の朝に「NHK俳句」という番組が放映されています。これまでも時々見てはいたのですが、私も番組に合わせて、下手でも一句ずつ作ろうかと思うようになりました。できるだけ続けていこうと思います。

 

 今回の兼題は「蛇」でした。この兼題で詠むのは二回目で、前回は、蛇は冬以外の季節で見られるのでなぜに夏の季語なのだろう、と書いたのですが、今回はその答えが分かりました。「蛇」は夏の季語ですが、他の季節には「蛇穴を出づ」が春、「穴惑」が秋、「冬眠」が冬と、全て揃っています。「冬眠」は蛇に限ったことではないのでちょっと弱いですが...。昔話や言い伝えにも出て来ますし、ご神体として祭られていることも多いので、昔から人の暮らしに密着した生き物の一つです。

 

 蛇死して胸のまわりの野辺の供花

(へびしして むねのまわりに のべのくげ)

 

 暮らしに密着した生き物ではありますが、わたしは非常に苦手です。そもそも爬虫類は全般的に相性が悪いので、更に蛇は毒を持っているというイメージがプラスされて、特に嫌いになってしまいました。蛇の種類は多く、その中でも毒を持っている種類は少ないそうですが、今更そう言われても刷り込まれたイメージを変えることはなかなかできません。それで未だに国内では沖縄に行ったことがありません。これはあまり関係はないですね。

 どんなに嫌いな生き物でも、死んでしまった姿を見るのは心が痛みます。裏側に、もう襲って来たり噛みついたりしない、という安心感があるからだとは思いますが、何の死であり、命が失われた様子を見るのは辛いことです。子供の頃、友達と遊んでいたら小さな蛇が出て来たことがありました。最初は驚いて逃げましたが、小さくて動きも遅かったので遠巻きに眺めて、それも遊びの一環のように観察していました。その日はその後どうしたのか覚えていないのですが、翌日、遭遇した場所の近くで蛇が死んでいるのを見つけました。昨日の蛇と同じだったかどうかは、子供だったのでよく分かりません。でも、わたしが見つけた時には、誰が添えたのか近くの野原に咲いている花を何本か摘んだものが置かれていました。

 

 帰省した際、あの時に蛇を見つけた場所に行ってみたことがあるのですが、畑の間の小川の流れていた辺りは、川も道も綺麗に整備されて、蛇が居そうな風景ではなくなっていました。それに、遊んでいた場所自体も自宅からちょっと離れただけの何でもないところでした。子供の頃はもっと広くて、楽しそうなところだったはずなのですが、何もかも整備されてしまったせいでしょうか。今は公園などが作られているので、畑の中で遊ぶなどということはないし、できないのかも知れません。散歩の途中、順路を外れて農道に入ってみたくなるのですが、もちろん蛇には注意しないといけませんね。