毎週日曜の朝に「NHK俳句」という番組が放映されています。これまでも時々見てはいたのですが、私も番組に合わせて、下手でも一句ずつ作ろうかと思うようになりました。できるだけ続けていこうと思います。

 

 今回の兼題は「草笛」でした。草の葉や木の葉を唇に当てて音を出します。蘆の葉や孟宗竹の若葉、麦の若葉、麦の葉などで鳴らすそうですが、どんな葉っぱでもよいという訳ではないようです。葉っぱを選ばずに吹ける人は名人級ということでしょうか。口笛も吹けないわたしからすると、音が出せるだけでも凄いことです。それを何かの曲として吹けるというのは、吹く技量ばかりでなく、音楽の才能も必要でしょうね。

 

 生まれ変わるなら草笛吹ける人

(うまれかわるなら くさぶえふけるひと)

 

 小学生の頃は、友達と遊んでいて、草笛を吹いたこともありましたが、結局わたしは上手く吹けませんでした。音が鳴らないので、何かの曲を吹くなどというのは全く無理なレベルです。微かにしか覚えていないのですが、わたし達が吹いて遊んだのは、からすのえんどうで、細長い鞘を割いて中の実を取り出し、先を少し切り取って、それを口先に含んで吹くというものでした。草笛というより、鞘笛とでもいったほうがいいのかも知れません。

 わたしと違って上手く吹くことができる友達は、あの小さな鞘の笛から信じられないほど大きな音を鳴らしていました。結局、わたしは吹くコツが分からず、笛と呼べるような音は出すことができませんでした。吹ける子と吹けない子の人数を比べると吹けない子の方が多かったので、そんなに気にはしていませんでしたが、草笛を吹ける男の子が、一緒に遊んでいる女の子に人気があったのは羨ましかったですね。その後、学校の音楽の時間でハーモニカや縦笛を習いましたが楽器も上手に吹けず、歌を歌ってもそんなに楽しく感じられなかったし、自分は音楽には向いていないのだなと確信しました。中学生になっての音楽の授業は最悪でした。苦痛でしかなったのですが、思い返すと、歌や演奏ができなくても、楽譜の読みかたぐらいは勉強しておけばよかったのにと悔やんでいます。先生も先生で、“音”楽なのだからもう少し楽しい授業にしてもらえていたら、と思うのですが、昔は一方通行的な授業が当たり前でしたからね。結局は他人や周りのせいにせず、自分にもっと音楽の才能があれば全て解決することなので、今度“生まれて来る時は草笛が吹ける”ぐらい音楽のできる人でありたいなあと思うのでした。

 ちなみに、大人になった今、もう一度からすのえんどうで笛を作ってみたら上手に吹けるのかどうか、散歩で道端にからすのえんどうを見かける度に思うのですが、そもそも道路の側でほこりを被っている草花を口に含むことから抵抗があってできません。広い野原の真ん中で草笛を作って吹いてみる、そんな機会があれば試してみたいものです。