毎週日曜の朝に「NHK俳句」という番組が放映されています。これまでも時々見てはいたのですが、私も番組に合わせて、下手でも一句ずつ作ろうかと思うようになりました。できるだけ続けていこうと思います。

 

 今回の兼題は「菜の花」でした。アブラナ科アブラナ属の越年性植物の総称で、ヨーロッパから中央アジア原産の外来植物だそうです。春になれば、田んぼの畝や道端などどこにでも咲いていますし、名前も日本語らしい名称ですので、てっきり国産の草花かと思っていました。外来種だとするといつの時代に入って来たのでしょうか。菜の花を詠んだ句は昔からありますので、随分早い時代に渡って来たのではないでしょうか。菜の花の強い黄色は春の明るさを象徴するものですが、あの明るさは中央アジアの太陽を源にしているようでもあります。

 

 杖を手に辿る菜の花通学路

(つえをてに めぐるなのはな つうがくろ)

 

 わたしが小学生の頃は、周りは田んぼや畑、空き地が多く、通学の途中にはどこにでも菜の花の黄色い花が咲いていました。学校に着くと、花壇にも黄色い花が揺れていて、春は世の中が全体的に黄色く染まるような気分を感じました。写生大会で屋外に絵を描きに出掛けた時、菜の花ばかりなので大雑把に黄色の絵具だけを塗りたくったら、流石に先生に注意されてしまいました。自分なりに、黄色ばかりの風景を表現したつもりだったのですが...

 これまで何回か実家に戻った時、かつて通った小学校への道を辿って散歩したことがあります。途中、幅広の真っ直ぐな産業道路が横断してしまい、田んぼだった場所が様変わりしてしまった場所もありますが、それ以外は大きな変化はなく、家の数も増えてはいてもよく数えてみないと分からない程度です。今度の連休にはお墓の掃除も兼ねて実家に戻る予定ですので、改めて当時の通学路を辿ってみようと思います。もちろんまだ杖をつくほどには歳をとってはいませんが、この先、そんなことになるかも知れません。その時は、途中に咲いている菜の花を眺めながら時間を掛けてゆっくりと歩いてみようと思います。そうしているうちに忘れていた思い出も蘇って来てほしいものです。

 

 今はまだ十分散歩もできますし、足がだるいとか腰が痛いなどといった足腰の故障もありません。毎日規則正しく散歩している効果が出ているとも言えます。ただ、やはり毎日一日分の歳をとっていることも事実であり、自分でも気が付かないうちに歩く速度が遅くなったり、足がしっかり上がっておらず、ちょっとした地面の凹凸に足を捕られてしまうことが増えて来ました。意識すればより早く足を動かすことはでき、足を捕られてよろけても、倒れることなく踏ん張ることができます。これがそうも行かなくなってしまうと、散歩も自由にできなくなり、それが足腰を弱くする原因となり、と悪い方向に進んでしまうのでしょうね。今より良くなることは難しいですが、今の状態をできるだけ長く保つことを心掛けている毎日です。