毎週日曜の朝に「NHK俳句」という番組が放映されています。これまでも時々見てはいたのですが、私も番組に合わせて、下手でも一句ずつ作ろうかと思うようになりました。できるだけ続けていこうと思います。

 

今回の兼題は「小春」でした。古風な女性の名前のようにも聞こえますが、傍題に「小春日」や「小春日和」があるように、十一月から十二月の初め頃に続く穏やかな日和のことです。この時期は台風も来ることはなく、強い北風の吹くにはまだ少し時間があるということで、上手い具合の陽溜まりを見つけることができれば、一枚多めに上着を肩に掛けるだけで日がな一日、世間を横目に見ながら傍若無人として過ごすことができる佳き日となります。

 

 駄菓子屋の店番こくり小春かな

(だがしやの みせばんこくり こはるかな)

 

駄菓子屋には子供の頃、よく通いました。一時期、無くなりかけたこともあったようですが、最近は懐かしさも重なってか復活し、時々見掛けることがあります。専門店のような大きい店舗のものもありますが、やっぱり路地に面した小さな店のほうが似合います。

よく通った時期は、学校から帰った後、10円か20円の小遣いをもらって、家から10分ほど歩いたところにある駄菓子屋に毎日のように行ってました。店に入ると、必ず背中を丸めたお婆ちゃんが商品の後ろに座布団を敷いてちょこんと座ってました。たった10円か20円のことですが、どのお菓子を買うか、どのくじを引くか、いろいろ迷って小さな店の中を往ったり来たりしましたが、お婆ちゃんはいつも、子供が一大決心をするまでじっと待ち続けてくれてました。

最後に行ったのは、小学校の四年生か五年生ぐらいだったでしょうか。何かの拍子に全然行かなくなるんですね。行かなくなった後、時々その駄菓子屋の前を通ることがありましたが、お婆ちゃんはあの頃と同じように座布団に座って、店番をしてました。暖かい小春日和で、眼鏡の奥に見えた目は、瞑っているのか細く開いているのか、どちらにせよ今日も子供たちが大切な小遣いを握ってやって来るのをいつまでも待っているようでした。

 

わたしの通った小学校では、生徒がよく行く駄菓子屋が1件か2件あって、皆が行ってました。一人ひとりの使う小遣いは少額ですが、学校の生徒が皆利用すればそこそこの売上にはなりそうです。中学校になると隣の小学校と一緒になるような学区になっていたのですが、隣の小学校にも同じような駄菓子屋が1件か2件あったようでした。子供相手の商売ですが、駄菓子屋どうしも棲み分けをしながらずっと続けられるようにしていたのかも知れませんね。何よりも、商売が成り立たなくなって店が無くなってしまうと、子供たちが困ってしまいます。

 

 

 

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