『月刊社労士 201810月号』(発行:社会保険労務士会連合会)より

 

寄稿された会員の方が関与された厚労省委託事業(パート活躍・短時間正社員制度・人材確保と定着等)の経験では、各事業の目的や趣旨が異なっていても、コンサルティング結果や成功例を見ると、今の「人手不足時代」を乗り切るために取り組むべきノウハウは、ほぼ共通事項と言えるそうです。

今回、得られた人材確保と定着に関する企業に対する具体的なアドバイスについて、紹介した記事が載っていましたので、要旨をまとめてみました。

今回も、人材定着の具体的なアドバイス例についてです。

 

(6)人間関係及びコミュニケーション

 ①育児・介護を理由とする短時間制度利用者増加に伴う職場内での不満の有無を確認

不満があった場合に、法律で決まっているので当然という職場内での考え方がないか、上長などから短時間制度利用者を含めた従業員に対し説明会の開催などをアドバイスします。

 

 ②「個々で完結する業務」、「他の従業員とは勤務する時間帯が合わない」など従業員同士の交流などが少ない職場のとき

レクリエーションや懇親会の開催(会社の補助あり)、などの提案をする。その場合、できるだけ職場の声を聞き、望ましい取組みを優先することを推奨します。

 

(7)問題社員への対応

 ①問題社員がおり、その対応に苦慮するとき

就業規則の服務規律、懲戒規定などの確認をし、規則に合った対処をします。

 

 ②社内でのハラスメント行為があるとき

現場管理職に対し、研修会等を開催することを提案します。

 

(8)福利厚生

 ①従業員の定着に効果のある情報の提案

業態や実態に合わせて採り入れやすい福利厚生制度を検討します。

 

(9)組織文化

 ①新規入社した従業員の定着に課題があるとき

新人が魅力を感じる職場環境(ウェルカム体制、業務の明確化、やりがいを持てる項目の確認など)であるかどうか、人材の定着に向けてどの程度の対応が進んでいるか、取組んだ後の結果について、総合的な視点で検討します。

 

 

人間関係及びコミュニケーションとか組織文化に関する課題は、対策や解決に時間がかかり、手強いものです。このアドバイスの観点をもう一度考えてみようと思います。