『月刊社労士 20184月号』(発行:社会保険労務士会連合会)より

 

平成3041日から、障害者雇用促進法からなる、法定雇用率の引き上げや、精神障害者の雇用の義務化が開始になります。今に至る法改正をより実感し、未来ヘ向けた行動ヘ移すためにも、これまでの歴史の流れ、全体像から、よりよい未来に向けた取り組みにつないで行くことが大切です。今回はその前半として、障害者制度を取り巻く現状と課題について会報誌の記事の要旨をまとめて行くことで、学んで行こうと思います。

今回は、福祉制度の活用などについてです。

 

4.見方の変更

支援者側か変われば可能性を切り開くことができます。役職の高い位置にいる人には、会社としては、企画立案等の考える仕事をしてほしいのが常です。一方、シュレッダーをしていたり、ファイリングをしていたりの、賃金はいくらになるでしょうか。こういった仕事は、会社全体を見ても、作業が得意な人へ渡し、部長は考えるほうにまわるという適正配置とチームワークが会社を強くします。

 

5.チャレンジ

「障害があっても、社会での役割があり、支える役になってほしい」という願いから、障害者の新しい職域拡大を目指し、重度の知的障害のある方でも制作できる、ホームページ制作ソフトを協働にて開発しました。  

 

6.福祉制度の活用

障害者雇用の前段階で、障害者総合支援法からなる下記の就労支援等のスキームがあります。

 

 ・就労移行支援:企業雇用を目指す方へ、就労支援+雇用マッチング+定着支援

 ・就労継続支援A型:企業雇用がまだ難しい方へ、就労支援十雇用契約

 ・就労継続支援B型:企業雇用がまだ難しい方へ、就労支援

 ・自立訓練:生活自立力をつける支援

 ・就労定着支援:雇用決定後の定着支援

 ・就労支援センター:定着支援3年後等の支援

 ・計画相談:ライフプランをトータル的に支援

 

7.教育現場

10年前から、公教育の現場が大きく変わりました。地域の小中学校内に、障害があっても、地域の子どもたちと一緒に勉強できるようにと「特別支援級」が設置されています。障害があろうとなかろうと、子どもたちが一緒に勉強できるときは一緒に、難しいときは障害のある子どもたちは個別に勉強します。すでにダイバーシティが当たり前になりつつあります。

 

 

活用のための福祉制度が整備され、教育現場も変わって来つつあります。時間はかかるかも知れませんが、必要なところには必要なだけの時間を掛けてでも着実に障害者支援の輪を広げて行くことが大切ですね。