介護により従来どおり仕事ができず、離職せざるを得なくなる事態が社会問題化しており、政府は介護離職ゼロの実現に向けて、介護事業所の環境整備に取り組んでいます。介護離職軽減のためにはマネジメント改革が重要になりますが、従業員が介護離職に至る原因について整理し、介護離職を防止するための要点について解説した記事が会報に載っていましたので、要旨をまとめてみました。
今回は、マネジメント改革についてです。
3.マネジメント改革
介護の問題を軽減し、離職を減らして行くためには、現場のマネジャーの協力が不可欠です。「働き方改革の持続的生産性向上モデル」では、
「ダイバーシティ経営」
「働き方改革」
「マネジメント改革」
「プロフェッショナル人材育成」
が正の関係になって、この循環を良くすることでイノベーションが促進され、生産性が高まるという概念が示されています。
「ダイバーシティ経営」とは、多様な人材が様々な働き方を通じて個性を最大限に活かして活躍することを指します。
「働き方改革」により、時間効率を高めて仕事の無駄や無理をなくす必要が出ることで、現場の「マネジメント改革」が必要となります。
「マネジメント改革」が、自律的に仕事を進めてキャリアを形成することに繋がり、「プロフェッショナルな人材」が育ちます。
そして、プロフェッショナルが育成されると「ダイバーシティ経営」として専門性を持った多様な人材が個性を活かして活躍して行くという、良い循環が生まれます。
4.インクルージョン・マネジメント
マネジャーは新しいマネジメントを身につけて行くことを求められますが、その新しいマネジメントが「インクルージョン・マネジメント」です。これは、多様な部下のワークライフ全般の弱みを支援し、強みを伸ばすマネジメントであり、部下の抱えるプライベートの問題にまで、これまでより踏み込むことで効果を発揮します。
5.介護の相談
産業ソーシャルワーカーが受ける相談の中でも、介護の相談の割合が増えています。また、男性の介護離職の割合が増えています。そのため、会社において重要な役目にある男性管理職が実母の介護のために離職を考えるという事態が発生することも十分に考えられます。
次回は、介護離職に至る原因についてまとめます。