毎週日曜の朝に「NHK俳句」という番組が放映されています。これまでも時々見てはいたのですが、私も番組に合わせて、下手でも一句ずつ作ろうかと思うようになりました。できるだけ続けていこうと思います。

 


今回の兼題は「凍鶴」でした。鶴が、あの長い首を背中のほうに曲げて両翼の間に挟み込んでうずくまり、そしてじっと動かずに片足だけで立ち続けている姿を表して、凍鶴と呼びます。鶴のこのような姿は動物園や公園などの水辺でこの時期よく見掛けますが、凍鶴という特別な呼び名がついていることは初めて知りました。ちなみに「鶴」だけでも冬の季語ですので、「凍鶴」は、更に冬の寒さや冷たさを詠むための季語かと思います。

 

 凍鶴の命の様で立ちにけり

(いてづるの いのちのさまで たちにけり)

 

鶴という鳥を日本人ほど愛している民族も他にはいないように思います。JALの垂直尾翼に鶴のマークが採用されたのもそのような繋がりがあったのでしょうし、戦後日本の航空機といえばあのマークを思い浮かべてしまうほどです(ANAなど他の国内航空会社の方、すみません)。そして、なぜに鶴を愛しているのか、その理由にこの凍鶴の姿に代表される、苦労にじっと寡黙にして耐えるような姿と日本人の気質が重ねられる、ということもあるのではないかと思います。

鶴は雀とか燕とかと比べると北方の寒い地帯を住処とする種類ですので、身体に防寒の仕組みが備わっているはずなので、実際のところ、一本足でじっと立っている鶴がどれほどの寒さに耐えているのかは何とも分かりませんが、少なくともわざわざ一本足で立って地面の冷たさが身体に伝わりにくいようにしているのですから、鶴といえども冷たさに変わりはないのでしょう。そんなこともあって、その姿を見ると、ある角度から見た拍子にその姿が漢字の「命」のように見えて来ます。それは、生命の源でもある「命」を大事に抱いて立っているように思えるのでした。

もちろん、あれは鶴だからこそ作れる姿勢であって、他の鳥には見られない忍耐の姿や心が表れているのかも知れません。

 

お笑い芸人の持ちネタで、この「命」という漢字を人の身体で表現するというのがありました。芸の一つとして実際に見せられると、あぁ確かに人の身体は胴と手足で「命」という漢字を上手く表せる仕組みになっているのだなあと改めて思いました。もしかすると反対に、人の身体から「命」という漢字が出来上がったのかも。調べてみたら、ちょっと違いますが確かに人がひざまずいた姿勢から出来たようです。そう言えば、「命令」の「命」としても使われます。人の「命」はひざまずき、凍鶴の「命」は一本足ですっくと立っているというのは、何やら人よりも鶴のほうを手本にしないといけないような気持ちになります。



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