今月の初めの事業所便りで、パワハラ防止とその法的措置を取り上げた記事について、その要旨をまとめました。政府は2014年に「パワハラ対策導入マニュアル」を作成して労使の啓発に努めて来ていますが、2016年には新たに第2版が公表されました。

このマニュアルでは、パワーハラスメント対策に取り組む企業が参考にできるよう、取組のポイントが解説されています。特に第2版では、パワーハラスメントについて社内で相談があった時の相談者への対応や事実確認の方法、とるべき措置の検討方法が具体的に解説されており、職場での指導や勉強会等で活用できます。今回、この資料を一読し、要旨をまとめてみました。

政府のサイトでは、あかるい職場応援団の次のURLに転勤に関する雇用管理の資料が公開されていますので、参考にしてください。

 

 あかるい職場応援団 - パワーハラスメント対策導入マニュアル

 

 

今回も引き続き、マニュアルを活用した取組の実施についてです。

 

3.マニュアルを活用した取組の実施

(5)周知する

<ポイント>

 􀀹組織の方針、ルールや相談窓口などについて、積極的に周知に取り組みます。

 􀀹周知と具体的な取組が一体となったものとなるようにします。

 􀀹計画的かつ継続した周知を実施していきます。

 

パワーハラスメントの防止に向け、組織の方針、ルールなどとともに、相談窓口やその他の取組について周知することが必要です。この周知は、単にポスターなどで伝えるだけではなく、会社が本気で取り組んでいることや、その取組内容を理解してもらえるものである必要があります。

相談窓口に関して、どのように利用できるかや、相談者が守られ安心して相談できる窓口であることを、ポスターなどの掲示で周知します。更に、従業員の意識を高め、窓口の存在や取組を知ってもらうために、従業員に名刺大の携帯用カードを配布している例もあります。

 

(6)相談や解決の場を提供する

<ポイント>

 􀀹従業員が相談できるように相談窓口を設置します。

 􀀹相談しやすくするために、相談者の秘密が守られることや不利益な取り扱いを受けないこと、相談窓口でどのような対応をするかを明確にしておきます。

 

従業員が相談しやすい相談窓口を設置し、できるだけ初期の段階で気軽に相談できるしくみを作ります。相談窓口には、内部相談窓口と外部相談窓口があります。それぞれの窓口がパワーハラスメントを含めたさまざまな相談に対応できると、相談しやすくなります。

相談窓口(一次対応)から再発防止策として、例えば、以下のような流れが考えられます。

 ①相談窓口(一次対応)

 ②事実関係の確認

 ③とるべき措置の検討

 ④行為者・相談者へのフォロー

 ⑤再発防止策の検討

 

(7)再発防止のための取組

<ポイント>

 􀀹再発防止策は予防策と表裏一体です。予防策に継続的に取り組むことが再発防止に繋がります。

 􀀹取組内容の定期的検証・見直しを行うことで、より効果的な再発防止策の策定、実施に取り組みます。

 

パワーハラスメント問題が解決した後も同様の問題が発生することを防ぐため、重要なことは、取組を継続し、従業員の理解を深め再発防止に繋げることです。定期的な見直しや改善を行い継続的に取り組むことも一つの方法です。

再発防止策としては、次のようなものが考えられます。

 ・行為者に対する再発防止研修の実施

 ・事例発生時のメッセージ発信

 ・事例の活用

 ・管理職登用の条件

 ・職場環境の改善のための取組

 

 

次回は、対策の取組の継続についてまとめます。