農作業中の熱中症による死亡事故は7,8月に70~80代の方が野外作業を行なう時に集中して発生する傾向があります。農作業従事者の中には熱中症の具体的な症状が分からず、知らず知らずに熱中症に罹っている方が多くいます。
ついては、熱中症の発生が急増する時期を迎えるにあたり、農作業を行なう方々に対し、農作業中の熱中症対策について周知がありましたので、紹介いたします。
環境省が開設している下記の熱中症予防情報サイトには、熱中症の目安となる暑さ指数や熱中症の対処方法(応急措置)、普及啓発資材等が紹介されていますので、参考にしてください。
1.熱中症が疑われる場合の処置
①暑い環境で体調不良の症状が見られたら、直ぐに作業を中断しましょう
熱中症には特徴的な症状がなく、「暑い環境での体調不良」は全て熱中症の可能性があります。
②応急処置を行ないましょう
涼しい環境へ避難しましょう。服を緩めて風通しをよくしましょう。水を掛けたり扇いだりして、体を冷やしましょう。水分・塩分を補給しましょう。
③病院で手当を受けましょう
意識がない場合で、自力で水が飲めない場合、応急処置を行なっても症状がよくならない場合は、直ぐに病院で手当を受けるようにしてください。
2.調査結果
ハウスで農作業をしている人達を対象に熱中症の発生と水分補給の実態、体温調節機能の調査が実施されました。
(1)調査結果
・農業者の中には熱中症の具体的な症状が分からず、いつの間にか熱中症の疑いのある方が多くいます。
・自分では熱中症に全く罹ったことがないと思っていても、熱中症の疑いのある方が多くいます。
・作業中に水分補給をしない方が多く、特に熱中症になったことがない方に多いです。
・特に65歳以上の高齢農業者は脱水し易く、汗から多くの塩分を失い易いです。
(2)予防のポイント
①熱中症の症状や予防、対処方法などの基本的な知識を身につけましょう
②汗で失う水分・塩分を補うため、喉の渇きを感じる前から塩分を含む飲料をこまめに飲用するようにしましょう
③特に高齢農業者は発汗量が多く、塩分を失うため、多めに補給することを心掛けましょう
3.農作業時の熱中症予防チェックシート
熱中症が原因でめまいなどを起こし、トラクター転倒などの重大事故につながることもあります。下記の項目をチェックして、くれぐれも注意してください。
・天気や気温を確認しましたか
・体調は万全ですか
・朝ごはんは食べましたか
・涼しい服装を選んでいますか
・日差しを遮る帽子はありますか
・飲み物は持ちましたか
・二人以上での作業ですか
・作業場所は熱がこもりませんか
・作業計画に無理はありませんか
・緊急連絡先を知っていますか
現在、農作業に従事する方は高齢者が多いので、特に熱中症には注意してほしいです。わたしも農作業とまでは行かないまでも、庭先で掃除や草取り、草花の手入れをする時は注意しようと思います。作業中は大丈夫でも、調子に乗ってやり過ぎると、後でじわじわと体調が崩れてしまうので、ほどほどで止めておくことが肝要ですね。