毎週日曜の朝に「NHK俳句」という番組が放映されています。これまでも時々見てはいたのですが、私も番組に合わせて、下手でも一句ずつ作ろうかと思うようになりました。できるだけ続けていこうと思います。

 

今回の兼題は「蜥蜴」でした。蜥蜴も季語なんですね。知りませんでした。確かに春が過ぎて少し暑くなって来たかなと思った頃に見かけるようになりますので、夏の季語と言われれば、何となく納得してしまいます。けれども、ほとんどの昆虫や爬虫類は暖かくなればごそごそと這い出して来て、人さまの目の前に表れて来るので、季語になるものとならないものの違いがどこかにあるんでしょうね。わたしは、人間に愛されていたり、逆に憎まれていたりすると、季語に認定されているように思うのですがいかがでしょう。

 

 大蜥蜴ふの字となりて見得を切り

 (おおとかげ ふのじとなりて みえをきり)

 

蜥蜴はうちの庭にも必ず毎年出現します。それもいつも同じような場所に出て来るのです。庭の隅にある水道の蛇口が立っている場所なのですが、花に水をやろうとジョウロに水を入れていると、足元の辺りにごそごそと動くものが...それがわたしの蜥蜴との毎年の出会いとなっているのです。

去年と同じ蜥蜴かなと一瞬思うのですが、大きさが同じということは成長していないということになのできっと別の蜥蜴なのでしょうが、蜥蜴ってどれでも暗めの緑色で縦縞が三本入ったぬるっと光る体をしているので、違いなど分かりません。という訳で勝手に、これは去年の蜥蜴の子供だと思っている次第です。

なぜ、蜥蜴は季語に選ばれたのかの理由の一つは、蜥蜴は動いている時は非常にすばしこいのですが、動きを止めるとずっと同じ場所に止まっていて、何か時計の早回しと停止を繰り返しているように見えるところではないでしょうか。更に止っている時は人が傍まで近づいて観察しても、それを知っているかのように体を動かさずにじっとして何か考え事をしているような姿も見せます。そういうところが人に愛想よく受け止められて、季語の座を勝ち得たのかも知れません。で、わたしが毎年の蜥蜴くんを観察し結論として気付いたのは、彼は体を少し捻り、さらに手と足を左右に開いて、ひらがなの「ふ」の字を全身で表しながら、人間さまに対して力強く歌舞伎の見得を切っているのだ、ということでした。体の小さな蜥蜴くんではあっても、そのプライドは非常に強くて高いのです。


 

 

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