テレワークは、ICT(情報通信技術)を活用した場所にとらわれない柔軟な働き方であることから、働き方改革の一環として注目されています。しかし、テレワークの導入には高いコストがかかり、労務管理も難しいのではと感じる人も多いと思います。そこで厚労省は、テレワークの基礎知識や導入プロセス、労務管理の方法などについて解説したQ&A集を作成しました。この資料では、労務管理ばかりでなく、安全衛生・労災保険や情報通信環境・セキュリティについてもQ&A形式で要点がまとめられています。

テレワークの活用形態の一つとして在宅勤務などの制度を導入した企業もここ数年増えて来ていることから、テレワークの導入は着実に進んでいるようです。

今回はこのQ&A集の概略をまとめながら、テレワーク導入における労務管理について勉強してみました。厚労省のホームページでは、以下のURLに公開されています。

 


 厚労省 - テレワーク導入のための労務管理等Q&A


 

1.テレワークを活用した働き方

テレワークとは、インターネットなどのICT(※1)を活用した場所にとらわれない柔軟な働き方で、勤務場所から離れて、自宅などで仕事をする働き方です。テレワークは働く場所によって、在宅勤務、モバイルワーク、サテライトオフィス勤務3つに分けられます。

 ・在宅勤務 : オフィスに出勤せず自宅で仕事を行う形態

 ・モバイルワーク : 顧客先、移動中、出張先のホテル、交通機関の社内、喫茶店などで仕事を行う形態

 ・サテライトオフィス : 自社専用のサテライトオフィスや共同利用型のテレワークセンターで仕事を行う形態

場所にとらわれない柔軟な働き方を可能とすることによって、「従業員の育児や介護による離職を防ぐ」「遠隔地の優秀な人材を雇用する」「災害時に事業を継続しやすくする」などのメリットがあり、会社全体の働き方を改革するための施策の一つとして期待されています。


 

2.テレワークの効果

テレワークを導入することによって、企業、従業員、ひいては社会全体にもメリットがあります。

<企業(経営者・推進担当者)の感じる効果> 

 ①優秀な人材の確保や雇用継続につながる。

 ②資料の電子化や業務改善の機会となる。

 ③通勤費やオフィス維持費を削減できる。

 ④非常時でも事業を継続でき、早期復旧もしやすかった。

 ⑤顧客との連携強化、従業員の連携強化につながる。

 ⑥離職率が改善し、従業員の定着率向上が図れる。

 ⑦企業のブランドやイメージを向上させることができる。

 

<従業員(テレワーク利用者)の感じる効果>

 ①家族と過ごす時間や趣味の時間が増える。

 ②集中力が増して、仕事の効率が良くなる。

 ③自律的に仕事を進めることができる能力が強化される。

 ④職場と密に連携を図るようになり、これまで以上に信頼感が強〈なる。

 ⑤仕事の満足度が上がり、仕事に対する意欲が増す。



   

次回は、業務の生産性と導入の考慮点、導入のプロセスについてまとめます。