『会報 2016年11月号』(発行:東京都社会保険労務士会)より
キャリアアップ助成金はここ数年、整理統合や手続きの変更、助成額引上げなど、行政が最も力を入れている助成金の一つです。いくつか種類のある中でも、特に正社員化コースは東京都の上乗せ支給もあります。このキャリアアップ助成金の特徴と手続きを解説した記事が会誌に紹介されていましたので、要旨をまとめながら勉強してみました。
今回は、「人材育成コース」についてです。
4.「人材育成コース」
<特徴>
賃金助成と経費助成の両方が助成できます。最短20時間以上の訓練実施で受給が可能です。1事業所当たり、最大500万円まで助成されます。
<手続き>
当コースは更に、
①一般職業訓練(Off-JT)
②有期実習型訓練
③中長期的キャリア形成訓練
のコース区分があり、区分ごとに提出書類が異なります。助成金申請に当たっての注意点は次のとおりです。
・訓練経費について、他の助成金を受けている場合は支給対象外となります。
・助成は同一労働者に対して1年度当たり1回のみです。
・訓練は、所定労働時間内に有給で実施する必要があります。
ただし、次のような不備がある訓練は支給対象外となります。
・訓練の実現が見込まれないもの。
・正規雇用労働者等への転換を目的とした訓練であることが明確でないもの。
・訓練の必要性が見込まれないもの。
・中長期的キャリア形成訓練の場合は、厚生労働大臣の指定する専門実践教育訓練の指定期間内に受講することが必要。
認定申請時は、キャリアアップ計画書等を訓練計画開始日の前日から起算して1カ月前までに提出します。支給申請時は、支給申請書、支給要件確認申立書等を職業訓練計画実施期間の終了した日の翌日から2カ月以内に提出します。
次回は、「処遇改善コース」についてまとめます。