毎週日曜の朝に「NHK俳句」という番組が放映されています。これまでも時々見てはいたのですが、私も番組に合わせて、下手でも一句ずつ作ろうかと思うようになりました。できるだけ続けていこうと思います。

 

今回の兼題は「鮫」、または「海豚」でした。鮫(さめ)はそうでもないですが、海豚(いるか)は読み辛い、というか、なぜイルカが“海の豚”なのか、その連想の仕組みがよく分かりません。イルカなのだから、もう少し頭の良さそうな感じを持つ漢字を当てたほうがよいのではと思います。あまり言うと、今度はブタの方に嫌な思いをさせてしまいますので、これ位にしておきましょう。

 

 水槽に奏でる鮫のソリチュード

 (すいそうに かなでるさめの そりちゅーど)

 

鮫と言えば、わたしの年代は、映画の「ジョーズ」ですかね。地球上で頂点に立つのは我々人間であって、動物の中には熊やライオン、サメなどが確かに獰猛で人間を襲いはしますが、結局は人間がそれら動物を従属させてしまうのであって、そのような人間の敵は、ウルトラマンとかに出て来る宇宙人や怪獣ぐらいだと思っていた子供の頃、海にはジョーズのような強暴なサメがいて、人間が簡単に食われてしまうのだ、という怖さに気が付くきっかけになったのが、あの映画でした。スピルバーグ監督の映画の作り方が上手かったところもあるとは思いますが...

そんなサメを、安全に見学できるのが水族館です。近くで見ると、大きな口にのこぎりのような沢山並んだ歯、紡錘形の体格は、水槽越しでも凶暴さが伝わって来ます。でも、その強さとは裏腹に何とも言えない寂しさを感じるのです。他の魚は、鮫に食われてしまわないようにと近づこうとはしませんから、鮫の廻りは海水で満たされているのみで、いつも静かです。そのような空間を悠然と泳ぐ鮫は、自分より強い魚はおらず誰にも襲われる心配もない、といった気持ちがその姿に表れているのでしょうが、でも、時々泳ぐ方向を変える時にふっと尾ひれを左右に一振りしたりすると、そこから目に見えない孤独感が波立って生まれて来るような感じがするのです。そしてその孤独感は波紋となって水槽の中全体にまで伝わって、そして静かに消えて、また元のとおりに戻って行くのです。

 

 水槽の鮫と言えば、昔、大阪の海遊館で見たジンベイザメの姿が、一番迫力があって今でも覚えています。海遊館の“売り”があのジンベイザメだったんですよね。大きな水槽の中を、一匹だけで独占してゆうゆうと泳ぐ姿は、それこそサメの強さと威厳を誇るものでしたが、やっぱりどこかに孤独感を感じました。動物は野性であることが、本当の姿を示すための大前提なのでしょう。

 

 



 



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