生産年齢人口の減少が進行する状況において、一方では出産を機会に退職する女性労働者は少なくなくありません。対策としては、子育てとの両立を図りながら仕事を続けて行く上で鍵となる育児休業等、両立支援制度を利用し易く、復帰し易い職場環境の整備を図る必要があります。
「育休復帰支援プラン」とは、中小企業が、自社の従業員の円滑な育休の取得及び育休後の職場復帰を支援するために策定するプランです。厚生労働省では、中小企業が、自社の従業員の円滑な育休の取得及び育休後の職場復帰を支援できるよう、「育休復帰支援プラン」策定マニュアルを作成されており、今回はそのマニュアルの要旨を紹介したいと思います。厚労省のホームページでは、以下のURLに公開されています。
今回は、妊娠~職場復帰後において法律で定められている措置・制度についてです。
3.育休復帰支援のステップ
ステップ1:制度の設計・導入・周知
(3)法律で定められている措置・制度
①妊娠~産前・産後休業期間
●制度対象者の希望の有無に関わらず必ず実施しなくてはならない措置・制度です。
・妊産婦の危険有害業務の就業制限
・産後休業(産後8週間)
●制度対象者の希望があれば必ず認めなくてはならない措置・制度です。
・保健指導又は健康診査を受けるための時間の確保
・(医師等からの)指導事項を守ることができるようにするための措置
・妊婦の軽易業務転換
・妊産婦の時間外労働、休日労働、深夜業の制限
・妊産婦に対する変形労働時間制の適用制限(1日8時間、1週間40時間まで)
・産前休業(産前6週間、多胎妊娠の場合は14週間)
②育児休業期間
●制度対象者の希望があれば必ず認めなくてはならない措置・制度です。
・育休(子が1歳に達するまで)
・パパ・ママ育休プラス(子が1歳2か月に達するまで)
③職場復帰後
●制度対象者の希望があれば必ず認めなくてはならない措置・制度です。
・育児時間(子が生後1年未満、1日2回30分以上)
・育児短時間勤務制度(子が3歳未満の間)
・所定外労働の制限(子が3歳未満の間)
・時間外労働の制限(子が小学校就学未満の間、 1か月24時間、1年150時間まで)
・深夜業の制限(子が小学校就学未満の間、深夜(午後10時から午前5時 まで))
・子の看護休暇制度(小学校就学前の子1人の場合5日、2人以上の場合10日)
次回は、ステップ2:制度対象者に対する支援についてまとめます。