毎週日曜の朝に「NHK俳句」という番組が放映されています。これまでも時々見てはいたのですが、私も番組に合わせて、下手でも一句ずつ作ろうかと思うようになりました。できるだけ続けていこうと思います。

 

今回の兼題は「黄葉」、または「黄落」でした。同じ落葉樹でも、楓のように紅くなるもの、銀杏のように黄色くなるもの、と様々です。”「黄葉」も“こうよう”と読むので、耳で聞くだけだと、「紅葉」と混同してしまい、紛らわしいかも知れません。

「黄落」は広葉樹が黄色く色づいて落ちる様が季語になったものです。イチョウやナラ、クヌギなど雑木の黄葉を指し、銀杏黄葉(いちょうもみじ)をイメージすることが多いそうです。黄色+落ち葉=銀杏は、ほぼ確立された秋の方程式ですからね。

 

 黄落に招かれて往く坂の道

 (こうらくに まねかれてゆく さかのみち)

 

「黄葉」は黄色に色づいた葉っぱを指し、「黄落」はその黄葉が散り落ちる様を言うので、「黄落」で詠むのなら、その動きを生かすのが秘訣なんだそうです。そういう訳で、今回は黄落を擬人化して、動きを出してみました。いつも通る散歩道ですが、晩秋を迎えると、道端に何本も真っ直ぐに立ち並んだ銀杏が色づいて、今日は次から次へと終わることなく舞い落ちています。葉の表と裏を代わる代わる見せながら散って行く黄葉を見ていると、一枚一枚が招いてくれているように思えて来ます。その招きを有難くいただいて、いつもよりゆっくりと、落ち葉を身体に感じながらその下を歩んで往くのでした。

 

 「黄落」は、晩秋、落葉、黄昏、などを連想してしまうので、どうしても老いの淋しさや侘しさ、嘆きのような感情を句に詠んでしまい勝ちだそうで(特にわたしのような人生の折り返し点を過ぎたような者には)、もっと別の趣向で詠んで、月並みにしないのがポイントだそうです。わたしも実は最初、“坂の道”を“老いの道”としていまして、これはちょっと...と思い直し、揚句のように変えました。“坂の”道にすれば、確かに楽ではないけれど、もう暫くは挑戦してみよう、といった前向きな気持ちが伝わるかな、と思ったのですが、どうでしょうねぇ。

 

 

 

 

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