昨今、「ブラックバイト」という言葉が話題になっています。アルバイトする学生が、劣悪な労働環境や労働条件によって本来の学業に取り組むことができないという現状が社会問題となっています。そもそもブラック企業と呼ばれる会社が存在していることが問題ですが、その背景には我が国の経済状況だけでなく、高齢・少子化の人口構造の課題も関係しています。

根絶は不可能ではあっても、学生アルバイト側の自己防衛策や、企業側への是正や啓発活動など様々な方法で少しでも解決して行く必要があります。

厚労省では労働条件に関する総合情報サイトを立ち上げており、その中で「確かめよう 労働条件」として学生アルバイトも含めた労働条件の確認に関する情報や資料が掲載されていますので、紹介します。

 

 確かめよう労働条件 - アルバイトを始める前に知っておきたいポイント


学生アルバイトの7つのポイント
 



 

1.アルバイトを始める前に、労働条件を確認しましょう!

アルバイトを探すときには、アルバイト情報誌やウェブサイトなどで、仕事内容、バイト代(給料)、勤務時間などを確認すると思います。仕事内容や労働条件は、アルバイトを選ぶときの重要なポイントだからです。

働き始めてから、「最初に聞いた話と違っていた」ということにならないように、会社から契約書などの書面をもらい、労働条件をしっかり確認しましょう。 

 

2.バイト代は、毎月、あらかじめ決められた日に、全額支払われるのが原則!

労働基準法では、バイト代などの賃金について、「賃金の支払いの5原則」というルールがあります。バイト代は、

①通貨で、

②全額を、

③労働者に直接、

④毎月1回以上、

⑤一定の期日に

支払われなければなりません。

バイト代などの賃金は、使用者(会社)と労働者の間の労働契約によって決まりますが、都道府県単位ごとに「最低賃金」が定められており、これを下回ることはできません。

 

3.アルバイトでも、残業手当があります

労働基準法では、1日の労働時間は8時間以内、1週間の労働時間は40時間以内と定めています。この労働時間のルールは、当然ながらアルバイトにも適用されます。

労働基準法では、労働者に残業をさせる場合のルールが定められています。具体的には、次のような場合は、割増賃金(残業手当)が支払われることになります。

18時間または週40時間を超えた場合は、通常の賃金の25%以上の割増賃金

1か月に60時間を超える時間外労働の割増率は50

 

4.アルバイトでも、一定の条件を満たせば、有給休暇が取れます

年次有給休暇とは、あらかじめ働くことになっている日に仕事を休んでも、賃金を支払ってもらうことができる休暇のことで、いわゆる「有休」や「年休」のことです。年次有給休暇は、正社員、パート、アルバイトなどの働き方の違いに関係なく、次の条件を満たす場合、取ることができます。


 ・週1日以上または年間48日以上の勤務する方で、


 ・雇われた日から6カ月以上継続勤務し、


 ・決められた労働日数の8割以上出勤した方

 

5.アルバイトでも、仕事中のけがは労災保険が使えます

正社員、アルバイトなどの働き方に関係なく、また、1日だけなど短期間のアルバイトも含めて、労災保険の対象です。

仕事が原因で病気やけが、通勤途中の事故で病院に行くときは、健康保険を使えません。病院で受診するときに、窓口で労災保険を使うことを申し出てください。原則として治療費は無料となります。また、仕事が原因のけがなどで仕事を休み、バイト代をもらえない場合は、休業補償制度があります。

 

6.アルバイトでも、会社が自分の都合で自由に解雇することはできません

使用者(会社)からの申し出によって一方的に労働契約を終了させることを「解雇」といいますが、突然「君はこの会社に合わないからもう来なくていいよ」と言われてしまったら、アルバイトであっても非常に困ってしまいます。しかし、アルバイトだからといって、簡単に解雇できるものではありません。


解雇は、使用者がいつでも自由に行えるというものではなく、社会の常識に照らして納得が得られる理由が必要とされます。

 

7.困ったときには、総合労働相談コーナーに相談を

アルバイトをして、労働条件など労働関係で困った場合は、全国の労働局や労働基準監督署などにある「総合労働相談コーナー」 にご相談ください。



 

 

次回は、学生アルバイトのトラブルQ&Aについてまとめます。

 



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