『会報 2011年3月号』(発行:東京都社会保険労務士会)より

 

特集 - 年金相談の現場での課題と職域拡大

 

国民の年金相談への意識や需要が高まる中、会報の3月号では4人の開業会員の方が、年金相談の現場や年金相談における報酬の問題、年金相談と職域拡大との係わりなどについて座談会を行った様子が特集されています。

今回は最終回として、年金制度と職域拡大との係わりについてです。

 

6.年金制度と職域拡大

年金に関する業務は幅広くあると言われています。仕事は自ら作り出すものですから、年金分野の仕事で“食べていけない”と決めつけることなく、積極的に職域を拡大する意識が大事なようです。

 

 ・得意分野を絞って、年金分割のプロフェッショナル、障害年金や遺族年金のスペシャリストになるのもよい。

 ・企業を対象に退職セミナーを提案するのもよい。

 ・学校教育の場への進出も、報酬が伴うシステムができれば職域拡大につながる。

 ・よろず相談会で、場所が新宿西口ということもあって、中国人の方が相談に来られた。社労士が中国語など外国語の修得が必要になる場面もあるかもしれない。

 ・年金は基本が大事なので、初心者用の年金教室も意義がある。相談はクライアントに理解してもらわないと意味がないので、初心者用教室の講義の仕方はとても参考になる。

 ・年金相談で来られる人は、労務管理上の問題なども相談してくるので、社労士としていろいろな実務経験を積んでいくことも必要。

 ・年金マスターの制度開始に伴い、国民に広く社労士のことを知ってもらう。

 ・年金記録確認第三者委員会の東京地方委員会の場合、約半数が社労士となっており、調査員にも多くの会員が参加している。年金の専門家として行政の取り組みに参加する意味も大きい。

 

中国語の修得まで考えると大変ですが、自分の実力と得意な分野で“食べていける”年金業務をこつこつと開拓していくことが大切なんですね。また、一般の人たちに生活の柱となる社会保障制度の仕組みや問題点、相互扶助の理念を分かりやすく説明するのが社労士の使命の1つです。真に国民のためになる年金制度はどうあるべきかを国に対して提言していく姿勢も大切とのことです。

 

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