開業への道(16) - 業務の流れとその管理 ④ -
「開業への道」という題名で、開業に必要な事務所開設の準備とその運営方法、委託契約の締結や業務を進める上での留意点などに関して連載中です。参考資料は、東京社会保険労務士会にて開催された開業準備講座に参加した際に副読本の資料としていただいた『事務所開設と運営マニュアル』です。この連載ものが終わる頃には、自らの開業への決心がつけるようにがんばります。
今回は、事務処理票の書き方と社会保険労務士業務に関するリスク回避についてです。
3.事務処理票の書き方
前回、業務の流れを整理しましたが、最終的には受託した業務を「事務処理票」に起票して管理していくのが基本のようです。法第19条として、依頼者からの事項を記録しなければならない規定があり、帳簿閉鎖のときから2年間保存することと決まっています。
「事務処理票」の一例が載っており、主な項目とポイントが説明されています。
①受付番号
番号が重複しないように注意する。月末に集計を行うので、
例) 2010年12月 5番目に処理した業務・・・“ 1012005 ”
などとして、欠番で業務忘失を防ぐようにします。
②件名(事件の概要)
項目の後に氏名等を記録する場合はフルネームで記録すること。依頼を受けてから完結に至るまでの具体的内容は「指導・相談内容及び記録事項」の欄に記入します。
③行政機関等への提出年月日
併せて、「提出書類受理簿」を作成し、後で問い合わせがあったときに分かるようにしておきます。
④書類の保存
帳簿及びその関係書類を帳簿閉鎖の時から2年間保存します。その関係書類とは、委託契約書、領収書控、作成した書類の控など、業務を遂行するにあたって作成した一切の書類をいいます。
4.社会保険労務士業務に関するリスク回避
・受託業務の処理上のトラブルに係わるもの
やり方がわからないから、慣れていないからなどは理由にならないので、先輩の先生に相談するなど、十分な下準備でトラブルを避けることです。
・無資格者による業務侵害に係わるもの
全国社会保険労務士会連合会や都道府県会が対応する場合が多いですが、個々の社労士も一丸となって監視する意識が重要とのことです。
次回からは、業務処理に必要な帳票の事例についてまとめます。