開業への道(8) - 委託契約の締結 ② - 

 

「開業への道」という題名で、開業に必要な事務所開設の準備とその運営方法、委託契約の締結や業務を進める上での留意点などに関して連載中です。参考資料は、東京社会保険労務士会にて開催された開業準備講座に参加した際に副読本の資料としていただいた『事務所開設と運営マニュアル』です。この連載ものが終わる頃には、自らの開業への決心がつけるようにがんばります。

今回は「委託契約の締結」の2回目として、税や法的関係に関する留意点です。

 

3.印紙税、源泉所得税

主なものは以下のとおりです。詳しくは、やはり最寄りの税務署に確認するのがよいそうです。

(1)委託契約書における印紙税の取扱い

 ・顧問契約に関するもの・・・非課税物件

 ・個別契約に関するもの・・・契約金額が1万円未満は非課税物件

(2)領収書における印紙税の取扱い

「営業に関しない受取書」として、非課税物件

(3)領収書における源泉徴収欄の記載について

法人は、法人税の対象となるため源泉徴収の必要なし

 

4.委託契約締結に伴う法的関係(事務代理を含む)

委託契約書により行う内容は、行政機関に提出する書類の作成及び提出に関する手続きを委託者に代わって行うこと(提出代行)と、事務代理2つが含まれるそうです。提出代行は、事実行為であることから民法でいう委任契約には当たりませんが、準委任契約として委任に関する規定が準用されます。事務代理については、契約において事務代理の範囲等について定めなければなりません。

代行と代理の違いですが、代行は事実上の説明補正等を行えるにとどまりますが、代理は行政機関の調査または処分に関する主張または陳述までできる、ということです。受託者(社会保険労務士)は委任の本旨に従い善良なる管理者の注意をもって事務の処理にあたらなければなりませんが、それにより受託の責に帰すべからざる事由によるときは損害賠償の責を負わないばかりか、報酬も請求できます。

民法上の解釈を考えると、委任契約と一言に言ってもその背景は深いんですね。行政書士の方とかは得意な分野でしょうが、私は苦手なので、行政書士の資格も取られている方がうらやましいです。

 

次回は委任契約締結に関する最終回として、契約書作成にあたっての留意点についてまとめます。

 

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