事務所便り 2010年11月号(3) 特集 - 東京会4名の開業会員が現状と課題を分析(その3)

『会報 2010年11月号』(発行:東京都社会保険労務士会)より

 

座談会 - 開業社会保険労務士の在り方と今後の課題

 

開業社会保険労務士は全国で約22,000人、東京会では約3,500人の方が活躍されているそうです。11月号の東京会会報に、開業会員4名の方による「開業社会保険労務士の在り方と今後の課題」と題した座談会の模様が掲載され、私を含め、開業を目指す社労士の方に参考になる生の情報が載っていましたので要旨をまとめてみました。

 今回はその最終回です。

 

5.変化する雇用環境への対応が今後の課題

①効率的に事業展開をするには、やはり電子申請

座談会の社労士の中に、支部の電子化推進員の方がおり、慣れれば電子申請は省力化に強力な手段であり、空いた時間で営業を行うことができる、ということで奨めています。また他の社労士の方は、この電子化も含め「まず、やってみることだ」と言われています。以前は労務相談されてからいろいろな指導をするという方向だったのを「指導から相談へ」という方向転換を東京会では奨めているそうです。「経営労務チェックマニュアル」も準備されているとのことなので、このようなツールは開業したばかり社労士の方にも役に立つのではないでしょうか。

 

②ステップアップ、日々勉強

新規開業の社労士は焦らずに、お客様のどんな依頼にも応えられるよう、時間がある時は勉強し、知識を深めることが第一だと言われています。座談会に出席したある社労士の方の顧問先に、社内の従業員とトラブルが多い中で不服申立制度を創設しているところがあり、そこに社労士が参加しているそうです。このような新たな試みに積極的に取り組むことが重要で、それができるようになるためには、日々勉強が必要ということです。スキルのステップアップの方法の1つとして、次のネットワーク作りがあります。

 

③ネットワーク作り

座談会の社労士の方は、ネットワーク作りについて、自分の持っている得意分野については同業者同士で情報交換していきたい、また、これからも開業を考えている方とか、開業したばかりの会員とよく交流していきたいと言われています。とかく、ネットワーク作りと言うと顧問先の経営者や従業員の方を思い浮かべるのですが、同じ社労士間、開業したばかりの方も含めてのネットワークも大切なんですね。

 

開業しようと考えてはいても、これまで労務や社会保険とは無関係の仕事をしてきた私にとっては、不安ばかりが先立ってなかなか開業に踏み切れません。今回の記事で、先輩の開業社労士の方が、開業を考えている人ともよく交流したいと知って、心配が少し減りました。

 


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