健康保険 - 医療保険のひみつ(6) - 医療サービスの種類
5月に「定年退職後の医療保険」と題して、定年退職を迎えようとしている高年齢者の方に向けて医療保険の選択方法について連載しましたがその際、自分自身で医療保険のことを理解し切っていないと感じました。今回ブログに連載しながら再度自らも勉強中です。
6.「保険者」が保険給付を行っています
(1)保険の仕組み
病気やケガなどの災難に備えてみんなで少しずつお金を出し合って備えておく、というのが「保険」の仕組みです。そして医療サービスは、
・保険料を支払い保険に入る「被保険者」
・医療サービスを提供する「医療機関」
・保険事業を行い、医療費を補償する「保険者」
という三者で成り立っています。被保険者は患者として医療機関で医療サービスを受け、医療機関はその対価となる診療報酬を保険者から受け取ります。
医療サービスの提供主体となる医療機関は民間の方が圧倒的に多いのが、日本の医療制度の特徴です。
(2)「保険者」の役割
「保険者」とは保険給付を行う健康保険事業の運営者のことです。国民皆保険を達成している日本では、職域、地域、年齢などで異なる複数の医療保険があります。それに合わせて、保険者も異なってきます。
職域保険は「被用者保険」と「自営業者保険」に分かれます。被用者保険の主なものは、サラリーマンとその被扶養者などを対象とする「健康保険」です。大企業を対象としたものは健康保険組合(健保組合)、中小企業を対象としたものは全国健康保険協会(協会けんぽ)が保険者となります。
地域保険は、職域保険に属さない人を対象とし、同一地域ごとに保険集団を形成する「市町村国民健康保険」です。保険者は市町村(+区)になります。
保険者の役割は、大きくまとめると
・被保険者から保険料を徴収する。
・医療機関へ診療報酬を支払う。
・情報収集、蓄積を行う。
・被保険者への援助機能を提供する。
になります。「援助機能」というのはちょっと分かりにくいですね。