事務指定講習 事例25

事務指定講習の再研究です。ただし内容は私の受けた平成20年のものなのでご注意願います。

残るは事例5つのみになりました。ここからは労基法、安衛法が中心の問題となっているようです。労働保険・社会保険と比べると手続きに係る様式類は少ないですが、基礎的なものでかつ重要なものばかりです。

 

事例25

東京プレス工業株式会社では従業員に残業させる必要が生じたことから、労働組合と協議して残業を行わせることについて合意しました。

事業場は文京区(本社)と八王子市(八王子支店)で、本社にて一括して届け出ることで合意しています。

 

必要となる手続き

 

 ・労基 時間外労働・休日労働に関する協定届

 ・労基 36協定の本社一括届出における本社以外の各事業場一覧表

 ・労基 就業規則変更届

 

労基法32条で定められている時間を超えて労働させるため、「労基 時間外労働・休日労働に関する協定届」を提出します。支店については本社にて一括して届け出るということですので、「労基 36協定の本社一括届出における本社以外の各事業場一覧表」も必要です。

また、時間外労働、休日労働させることになりましたから、その旨の変更を就業規則に行うことになりますので、「労基 就業規則変更届」を併せて提出します。

 

「労基 時間外労働・休日労働に関する協定届」

・提出期限 : 協定を締結した都度(あらかじめ)。

・主な添付書類 : 特になし。特別条項付き協定を締結したときはその協定書

労働時間は「休憩時間を除き1週間について40時間、1日について8時間を超えて労働させてはならない」と決められています。この時間を超えて時間外労働させるには、当該事業場に労働者の過半数で組織する労働組合か、労働者の過半数を代表する者と労使協定を締結して所轄労働基準監督署長へ届け出る必要があります。

また、法定休日(1週間に1日、または変形休日制を採用している場合は4週に4日)に労働させる場合にも届け出が必要です。

このように延長できる労働時間を協定しても、限度時間を超えてさらに労働時間を延長しなければならない特別な事情(臨時的なものに限る)が生じたときは、特別条項付きの協定を締結することになります。

 

「労基 36協定の本社一括届出における本社以外の各事業場一覧表」

参考にした『社会保険・労働保険 手続便覧』には届出書として載っていませんでした。『労働社会保険様式記載例』には載っていますのでそちらを参考にしてください。記載例も、たまたま八王子の例になっていますね。

労働者数は、計算すると23人になります。うち、労働組合員数は適当に20人と書いて提出しましたが特に問題ありませんでした。

 

「労基 就業規則変更届」

・提出期限 : 就業規則作成後、遅滞なく。

・主な添付書類 : 意見書。

『労働社会保険実務指導様式集』に入っていませんが、提出が必要です。記入例は労働社会保険様式記載例』に載っていますのでそちらを見てください。使用頻度の極めて高い様式なのですが、なぜ様式集にないのでしょう?

常時10人以上の労働者を使用するに至ったとき、就業規則を作成し、意見書を添付して届け出ます。就業規則の記載事項には、絶対的記載事項と相対的記載事項があります。

<絶対的記載事項>

・始業及び就業時刻、休憩時間、休日など

・賃金、計算及び支払い方法、締切り及び支払い時期、昇給など

・退職に関する事項

 

<絶対的記載事項>

・退職手当に関する事項

・臨時の賃金等、賞与及び最低賃金額

・労働者に食費、作業用品その他の負担をさせることなど

・安全衛生

・職業訓練

・災害補償及び業務外の傷病扶助

・表彰及び制裁の種類及び程度

・その他当該事業場の労働者全てに適用される事項(休職規程、出張旅費規程など)

 

※ 以上、法令の内容や数値は当時のものですので、最新の内容はご確認ください。