あの頃の思い出  - 七瀬ふたたび -
 
そろそろ春の気配が、吹く風から感じとられるようになり...小説の『七瀬ふたたび』を読みました。ご存知の通り、筒井康隆さんの小説で、何度かTVドラマ化されており、今度は映画化されるそうです。
私の『七瀬ふたたび』との出会いは、子供の頃に見たNHKの少年ドラマシリーズです。年代的に、こういう人は多いのでしょうね。つい最近では、またNHKで現代版?の『七瀬ふたたび』がドラマ化されていましたが、私の心の中の『七瀬ふたたび』は多岐川裕美さんの七瀬です。
今回、もう一度よ~く自分の心を読み返してみると、実は少年ドラマシリーズの『七瀬ふたたび』もその後に何度かドラマ化されたものも、結局一度も完全に見たことはなかったのです。予知能力を持つ恒夫がなぜか予知できなくなって、それは実は恒夫自らが死んでしまうからこそ自分の未来が予知できないのだと気がつき、そして超能力者を抹殺する秘密組織に射殺されてしまう。論理的な思考で死という結果を導き出すしかない超能力者であるがゆえの不幸、そして恒夫を超能力者としての同胞というだけではなく、それを超えて愛していた七瀬、ドラマの内容としては、そんな断片をいくつか覚えていただけです。
ただ、エンディングテーマ曲の
「あしたを探して 歩く野辺の道」
「季節は どこかに 忘れてきたの」
~「今日もそっと待ってる 白いヒヤシンス」
こんな感じの歌詞は印象深く覚えていて、もう一度聞きたいなと常々思っていました。あまり期待せずに「七瀬ふたたび ヒヤシンス」で検索したら(『風信子(ヒヤシンス)どこへ』という題名は覚えていませんでしたので...)すぐ見つかりました。「風で通信する子」でテレパスの七瀬を表しているのでは、ということも知りました。



インターネットの威力に驚嘆しつつ、数十年前の記憶を蘇らせ、そしてその勢いのままに小説の『七瀬ふたたび』を初めて読み終えたというわけです。
今なせがほっとした気持ちになっています。失くしかけていたものを運良く拾えた感じとでもいうのでしょうか。『七瀬ふたたび』の話自体は、既知の通り超能力者たちが悲劇的な結末を迎えるものです。でも、この歳になって読んでみると、あの頃の少年の心で感じた悲しみとは違った悲しみを覚えました。気持ちが整理できれば、またブログに書こうと思います。
ヒヤシンスの花期は3月~4月だそうです。今から水栽培してみましょうか?子供の頃のように。