類書を考えよう(出版企画書の書き方11) | 出版の方法

類書を考えよう(出版企画書の書き方11)

企画書の「類書」では、同じテーマの本は出ていないか、出ているのであれば、その本は売れているのかをチェックし、そのテーマの本の市場規模を確認します。
類書があるのであれば、その類書は売れているのか、そして、その類書よりも売れる本になるかが重要になります。

また、類書がないのであれば、何故、類書がないのかを考えなくてはなりません。


まずは、Amazonなどでテーマになるキーワードで検索してみましょう。


同じテーマの類書が1冊しかなく、その類書が売れていて、しかもできが悪ければ、その企画は通る可能性が高いでしょう。
それは、リスクを負って新たな市場を開拓するよりも、売れている類書をより売れる形に改善して二匹目のドジョウを狙う方が、ある程度の市場規模や売れ行きもイメージできますし、リスクが少ないと判断されるからなのです。
また、類書があまりに多い場合や類書が売れていない場合は、企画は通る可能性が低くなります。


もし、類書が数冊(3冊~5冊)しかなかった場合、その類書を企画書に列挙して、その類書それぞれの長所と短所を分析し、自分の企画にはどう反映し、どう差別するのかを書いておくとよいでしょう。

Amazonのレビューは参考になると思います。


類書がない場合、類書がない理由を考える必要があります。

「類書がないので、この本は売れる」というような文言を企画書にかかれる方がいらっしゃいますが、それはあまりに短絡的です。


我々、出版業界の人間は、常に企画を考えています。

それなのに類書がないということは、どういうことなのか考えてみてください。


一つは、出版業界の人間には考え付かない企画。
そして、もう一つは、出しても売れそうにない企画。


だいたい、この二つが理由です。

しかも、ほとんどの場合が、二つ目の理由であることが多いのです。
つまり、素人考えの「類書がないので、この本は売れる」という理屈は、通用しません。

先にも書きましたが、我々、出版業界の人間は、常に企画を考えています。

ということは、よほどの切り口でない限り、思いつく切り口であり、それが書店で販売されていないということは、二つ目の企画に該当したということなのです。


もちろん、一つ目に該当する場合もありますので、すべてがすべてではありません。

そして、その場合は、比較的スムーズに企画は採用されることでしょう。


企画を考える場合は、是非、客観的に「類書がない理由」を考えてみてください。
無理に独自性の高い「類書がない企画」を考えるよりも、書店で売れている書籍を探して、その書籍をより売れる形に改善した企画を考えた方が、出版への近道かもしれません。