こんばんは!
経営戦略と戦略会計で会社を変える、FSAコンサルティング株式会社社長の谷川俊太郎です。
今日は水曜日!【他社戦略】の更新日!
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【記事要約(平成29年7月21日 日経MJ P15より】
ファミリーレストラン最大手のすかいらーくは「ガスト」や「バーミヤン」などグループ内の複数の店舗で宅配ドライバーを共有する取り組みを始めた。
外食業界は人手不足が深刻化している。人員の最適な配置を進め、宅配需要の高まりに対応する。
これまではブランドとごに専用ドライバーを雇い、ピーク時は各店にそれぞれ2~3人を配置していた。東京小平市で始めた実験では、5店のうち3店に計10人ほどのドライバーを常駐させる。各店の注文に応じて担当を振り分け、1人のドライバーが5店の料理をすべて配達できるようにした。
共同配送の仕組みを整えることで、配達用のバイクを駐輪するスペースがない店も宅配サービスを導入できる。注文の少ない時間帯はドライバーが各店のメニューやキャンペーンのチラシをまとめて配るなどして、利用者を増やす。
(記事要約終わり)
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宅配需要、高まっているようですね。家からなかなか出られないお年寄りなんかも宅配で料理を配送してもらえたらとても助かるでしょう。そうでなくても、中食の需要も高まっていますので、外食業界も「外食」だけではなく、中食に対抗できる方法も必要なのでしょう。そこで宅配ドライバーを共有化して最適化するという、これからの需要の高まりに対応したサービス強化を図るようです。これまで立地などの関係で宅配ができなかった店舗もできるようですし、「利用」のしやすさを今から確保していこうという狙いもあるのでしょうね。
では、今回注目した点は以下のことです。
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【記事で特に注目した点】
今後需要が高まりそうな宅配に注目して「利用」しやすくしようとしている点
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<注目した背景>
今回これに注目した理論的な背景は佐藤義典先生の、「マインドフロー」からです。「マインドフロー」を簡単に説明します。以下、「マインドフロー」の説明を書きますが、以前に書いたもののコピペですので、もういいやって方は読み飛ばして下さい。
*例によって、理論が分かりにくかったら、佐藤義典先生の理論のせいでなく、
私の説明の力量不足です。その場合は、佐藤義典先生の著書を是非読んで下さい。
マインドフローの解説
販売の理想は、自社(もしくは自社の製品・サービス)のファンを増やすことですよね。ファンが増えれば当然売上は伸びます。ファンが増えれば、良い口コミを広げてもらえ、さらにファンを増やす原動力になります。「マインドフロー」とは、お客様が製品やサービスを買ってもらい、ファンになってもらうまでのお客様の「心の動き」を表したものです。お客様がファンになるまでの「心の動き」は以下の7つの関門を通ります。
①認知:お客様が自社の製品を知る
②興味:お客様が自社の製品を知っていて、興味を持つ
③行動:お客様が自社の製品に対して具体的な行動をしようと思う
(ホームページを見る、パンフレットを受け取るなど)
④比較:お客様が自社と競合他社を比較する
⑤購買:お客様が比較の結果、自社の製品を買う
⑥利用:お客様が自社の製品を使う
⑦愛情:お客様が自社の製品に愛情を持ち、ファンになる。
これだけでは分かりにくいと思いますので、自分の実体験をもとに新しいラーメン屋のファンになるまでの心の動きを例示しますね。
①<車で走っていて>
「へ~、こんなところに新しいラーメン屋できたんだ」(認知)
②<ラーメン屋ののぼりを見て>
「肉そばか~、俺、肉好きだし、おいしいかも」(興味)
③<車をそのラーメン屋に向けてハンドルを切る>
「昼飯あそこのラーメン屋でもいいかも、ちょっと見てみよう」
(行動)
④<店の入り口のメニューを見て>
「ラーメン屋ならいつもはあそこに行くけど、どっちがいいかな?」(比較)
⑤「肉がたくさん入ってそうだなあ。おいしそう!ここで昼飯にしよう!
肉そばひとつお願いしま~す」(購買)
⑥<ラーメン到着>
「いただきま~す!おいしそう!」ズルッズルッ(利用)
⑦<食べ終わって>
「おいしかった!このラーメン好きだな。よし、また来よう!!」 (愛情)
どうです?例示のように、確かにこの流れで心の中が動いていませんか?お客様は、このような心の動きをしていますので、このどこかで流れが止まるとファンになってもらえません。先ほどの例で言えば、(興味)のところで
のぼりがなかったら、(興味)はわかなかったかもしれません。そうであれば、そのラーメン屋は、私にとって「そこにあることを知っている」だけのお店になってしまいます。お客様にファンになっていただくには、この流れを止めないようにする必要があります。流れが止まっているようなところには必要な対策をしなければいけない。
これが、佐藤義典先生の「マインドフロー」です。
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今回もマインドフローです!マインドフローとは、お客様があなたのお店(もしくは商品)を「知って、買って、使って、ファンになる」までのお客様の心の中の動きを表しています。この関門の中で、お客様が流出しやすい(例えば購買しようと思ったらクレジットカードが使えなくてやめてしまうなど)ところを改善し、お客様の流出を防ぎ、漏れを少なくしてファンを増やそうという考え方です。
この中で、今回すかいらーくさんの宅配ドライバーの共有化は、宅配需要を取り逃さないようにしようという方策ですね。お店で食べるのと、家で食べる。「利用」場面を増やす方策ですね。これま今までもやっていたでしょうが、宅配ドライバーを共有化することによって、これまでできていなかったお店でも宅配が可能となりますし、この人手不足の時代。今後さらにドライバー不足に悩まされることが予想されます。人手不足で宅配ができなくなってしまったら、お客様の「利用」を制限してしまいますよね。そうならないように今から手を打っているんですね。
「利用」がしづらくなってしまったら、選ばれなくなる可能性がありますので、今回は漏れを防ぐというよりも、将来穴が空きそうなところを今から対処しているという感じですね。
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【会計的な効果】
会計的な効果ですが、ドライバーを共有化することで固定費が下げられる可能性があります。最適な配達ルートで複数店舗の商品を届けられるようになれば、効率よくなりそうですね。通常は配達があるかないか分からなくても店舗にドライバーを常駐させなければならず、複数店舗合計で常駐させていると、仕事がない時間の分も時給が発生してしまいそうですが、複数店舗の宅配を共有化することで人件費をさげることができるのではないでしょうか。
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【自分ならどうするか?】
今後人手不足がより深刻化していくと、「宅配できる」というのはその飲食店の強みになっていく可能性があります。そのため、今から宅配ドライバーの共有化で対応を考えていくというのは必要ですね。自分ならどうするか、ではありませんが、この宅配ドライバーの共有化によって、最適な宅配ができるノウハウというのを積み上げていけば、宅配という「利用」場面をこれからも守っていけると思います。
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さて、いかがだったでしょう?今回は攻めるというより守りに近い記事の紹介でした。ですが、人手不足はこれからも深刻化していくことが予想されます。すかいらーくさんのように今から対策していくことは重要ですね。今は良くても将来マインドフローで穴が空きそうなところを今から対処していく。将来を見据えて対応するというのは重要なことですね。
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