「猫の神様」東良美季 | 我楽苦多通信

我楽苦多通信

なんやかんやつらつらと。

猫の神様 (講談社文庫)/東良 美季



¥514

Amazon.co.jp


 深夜ローカル番組で司会の勝谷誠彦氏が絶賛していた本。


 ジョギング中に見つけた二匹の子猫、ぎじゅ太とみゃ太との話。のっけから葬送の日というタイトルで始まるこの話は、ネットや個人のねこ写真集のような、猫との楽しい生活を綴ったものではなく、主に彼らの闘病記だった。



猫を主役にした話はあんまり読んだ記憶がなく、それは家の庭にやってきた猫の事をひたすら描写していて、そこから猫の可愛さが伝わってくる、そんな一冊だった。
      ↓これね。

天からやってきた猫 (新潮文庫)/塩田 丸男

¥389
Amazon.co.jp

画像がないのが残念だけど。

だからこの本もそう言うのを期待していたんだけれど、違った。まったく。
上記の本のように、猫の可愛さが伝わってくるわけじゃないけれど、飼い主(東良さん)がどんなに、この二匹の猫を大切な存在としていたかは伝わって来る。
この、病気で日に日に弱っていく猫たちを、どうやって楽に快適に過ごさせてやれるだろうかと。
そして必死に生きようとするみゃ太の姿に、もう涙涙。
すごく愛に溢れた一冊だった。

猫だけじゃないけれど、何かしらペットを飼っていれば死は必ずやってくるわけで、それは大切に思っていれば思っているほど辛いもので。
私はその辛さに耐えかねるから、だから飼わないのだけれど、こういうのを読んでしまうと、さらに自分は飼えないなぁと思ってしまう。
辛さもさることながら、ここまで一生懸命にはたぶんなれないから(時間的にも金銭的にも無理というのもあるけど)だから、巷に溢れる可愛い猫やら犬やらの動画や画像を見て、つい飼いたいなどと思ってしまうのだけれど、この本を思い出して、思い止まろうと思うのであった。