「キャロル」 | 我楽苦多通信

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なんやかんやつらつらと。




Twitter等で話題になっていた「CAROL」を観てきた。
フォローしているセクシャルマイノリティーの方々が絶賛していたので、これは見なければと。
何がすごいのかと言うと、セクシャリティーの書かれ方がしっかりしていると。今までの同性愛を扱った映画とは兎に角違うのだそうで。
同性愛を扱った映画をたくさん見てきたかと言えば、そうでもないのでその違いと言うのをはっきり言うことは出来ないし、当事者でもないのでそういう観点からの感想は言えないとは思うのだけど、観ていて、あぁ同性愛の恋愛映画なんだね、という認識はあまりなく、二人の人間が出会って恋に落ちていろいろあったけど、最終的には結ばれるハッピーエンドな映画といして認識していた。


ちなみに、観たことのあるレズビアンが出てくる映画はこの二つなので、あんまり参考にならない気がしないでもない。



「愛のむきだし」は兎に角長くて奇想天外でハチャメチャで(これは個人的印象)同性愛がどうのこうのと言う点は、途中でどうでもよくなってしまったし、「バウンド」は同性愛よりもサスペンスのほうが自分の中では勝っていたので、濡れ場があったにもかかわらずあまり気にならなかった。ハッピーエンドだったしね。
「バウンズ」は兎に角面白かったので、機会があればぜひまた観たい。

すでにハッピーエンドとラストのネタばらしをしてしまったので今さらかもしれないけれど、以下ネタバレを含みます。



舞台は1950年代のニューヨーク。デパートで働くテレーズは、子どものクリスマスプレゼントを買いに来たキャロルと出会う。
テレーズは本当はカメラマンになりたいのだけれど、毎日の日々の生活が精一杯で半ばあきらめている。特に刺激になることもなく、流されるままに過ごしている。
キャロルは裕福な生活をしているものの、夫とは離婚調停中。一人娘をこよなく愛している。だけど、離婚したくない夫はいろんな策を講じて、なんとか離婚せずに済むように企んでいた。
デパートで会った二人は惹かれあい、どんどんと距離を縮めていく。

クリスマスの日、この日も本来ならば娘と過ごすはずだったにもかかわらず、夫が強引に連れ去り、キャロルが同行を拒否すると娘と会うことが出来ないようにしてしまう。
一人になってしまったキャロルは旅に出るんだけれど、その時にテレーズを誘う。
旅の道中、二人は結ばれるのだけれど、キャロルとの離婚を自分有利に進めたい夫の策により、キャロルは窮地に陥ってしまう。
最終的に、テレーズと別れる選択をする。

テレーズはテレーズで突然去って行ったキャロルの行為にはまったく納得が行かない。
悶々して日々を過ごすが、彼女への想いは捨てられない。

結局、二人はもとの鞘に戻りハッピーエンドを迎えるわけだけれど、それはとてもいい終わりかただった。
物語はそんな感じなのだけれど、そのほかに、ふたりが見つめ合うシーンだとか、どちらかがどちらかをじっと見つめるシーンだとか、セリフのないシーンにこそ二人の想いが上手く演じられていると思った。
口づけを交わすシーンなど、キュンキュンしてしまう。
あとは、全体的なレトロな雰囲気。
町並みとかファッションとか家具とか。そういうのがとてもよかった。
それから、かつてキャロルと関係のあった幼馴染の女友達、今も良き友人であり今回も二人の力になる女性、アビーがいい味を出していたと思う。
アビーとキャロルの関係はすごくいい。

原作を呼んでから、もう一度見てみたい一作。




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