このところ、久しぶりにウェザーリポートの「8:30」がマイブームになっている。
そこで、今日はウェザーのキーボーディスト、ジョー・ザヴィヌル氏について書いてみようと思う。
(写真はネットからいただきました)
マイルス・デイヴィス、キャノンボール・アダレイ、ウェザー・リポート、ザヴィヌル・シンジケートなどとの活動で、常にジャズ、フュージョン界のトップアーティストとして活躍したザヴィヌル氏。
1980年代後半に自分がバークリー音楽大学に通っていた当時、ボストンでウェザー・アップデイト(残念ながらウェザー・リポートは既に解散していてライブは観れなかった😭)、やザヴィヌル・シンジケートのライブを見て、衝撃を受けたのが昨日のことのようだ。
そして1991年。シカゴに移ってブルース修行に励んでいた自分が、GBWレーベルから発売になる Chicago Blues Night のレコーディングに参加して、CDデビューを果たす。
(髭を生やした怪しげな東洋人みたいなルックスが恥ずかしいけど😅24歳だったかな)
翌1992年に、このCDのプロモーションを兼ねた1ヶ月に及ぶイタリアツアーに参加した。
ツアー最終日、サルディニア島の首都カリアリで行われたジャズフェスティバルに出演。
ヨーロッパでは、ジャズフェスにブルースバンドが出演することは決して珍しくない。同じルーツを持った音楽という捉え方なのだろう^ ^
このフェスティバルのメインアクトで出演していたのがザヴィヌル氏だった。
ステージの裏に作られた控え室と食堂を兼ねた大きなテントで、終演後に本場のパスタやワインを味わっていると、なんとそこにザヴィヌル氏が姿を現したではないか
いやいや驚いたね。でもこんなチャンスはめったにない。彼の元に駆け寄って挨拶をした。
「シカゴから来たギタリストのシュンです。自分はシカゴのブルースバンドでさっき演奏しました」
そんな事を言ったと思う。
見るからに酔っ払っている風なザヴィヌル氏は「お前誰だ?」という感じでジロっと自分を見ると、だみ声を通り越したガラガラ声で言った。
「シカゴから来たのか。俺の女房はシカゴの出身なんだ。リグレーフィールドでカブスのゲームを見たこともあるぞ。シカゴはいい町だよな」
「それじゃあばよ、またな」
フラフラとおぼつかない足取りでその場を去っていった。
一瞬の出来事に、あっけにとられた自分
「Mercy mercy mercy」や「In a silent way」「Remark you made」など、それはそれは美しい曲を書いたスーパー・コンポーザーでスーパー・キーボーディスト、スーパー・バンドリーダー、スーパー・ミュージシャンのジョー・ザヴィヌルが、ガラッぱちの酔いどれオヤジだったとは(ファンのみなさん、すみません😅)。
もちろんそれで彼の素晴らしさや功績が色あせるわけでは全くなく、ただあの美しくハイレベルな音楽と、目の前にいた本人のイメージのギャップに唖然とするしかなかった。
ザヴィヌル氏とのツーショット写真を撮ればよかったと今になれば思う。
ただ、あの雰囲気で写真をとってください、とも言えなかったよな😅
まだデジタルカメラもない時代で、インスタントカメラを持ち歩いていた。
あの時のツアー写真は多分どこかに眠っているはずだが、手元にないのであしからずです。
1ヶ月に渡るイタリアツアーは、ザヴィヌル氏との出会いをはじめ、BBキングの前座を務めたり、イタリアの20都市以上を廻ったりと、楽しい思い出が詰まっている。
ザヴィヌル氏の作曲で、ジャコ・パストリアスのベースとウェイン・ショーターのサックスが深く響く名曲「Remark You Made」を!!
みなさんも素敵な夜を!!
Have a good evening!!