先週、ミネアポリスで黒人男性のジョージ・フロイドさんが白人の警察官によって殺害された事件をきっかけに、アメリカ国内に暴動が広がっている。

そしてついに暴動の牙はシカゴにも。

あろうことか、 ブルースクラブのBlue Chicagoがその被害に遭ってしまった。

ここは何年にもわたって演奏してきた馴染みのクラブだ。 

例えば暴動の矛先が警察署や白人警官に向くならわからないでもない。

ところが、出演者の90%は黒人ミュージシャンで、黒人文化の発信地のようなブルースクラブが襲われるなんて全く支離滅裂だ。

結局のところ、たまっていたストレスやフラストレーションを何の考えもなしに爆発させているか、このタイミングとばかりに強盗しているかのどちらかに過ぎないということだ。

こうした破壊行為で盗まれたブランド品やグッズなどがスラム街のストリートで半額以下の値段で売られ、多くの人だかりができているのだと聞く。

方や大統領は事態を収めるためには銃撃もするぞと国民を脅すツイートをしている。 

コロナは先が見えず、アメリカの現状はなんとも悲しい。

本当なら今週末はシカゴ・ブルース・フェスがあり、自分もノラ・ジーンと出演する予定でいた。シカゴはブルース・フェスを境に、音楽に溢れる夏に向かう。そんなウキウキする季節が今年はフェスもなくなり、コロナに加えて暴動と、普段とは全く違う世界になってしまった。

こんな時にアメリカにいなくて良かったと言う自分がいる一方で、アメリカに帰りたくて疼いている自分もいる。人生の半分はアメリカにいたわけだから、故郷を思い髪を引かれる自分がいるのは当然なのかもしれないな。