昨日は52回目の誕生日。
たまたま用事があって東京に出てきたお袋と待ち合わせ、女房と3人で公園を散歩したり、加賀の殿様の旧屋敷を見て廻ったり、午後をまったりと過ごす。
コーヒーを飲みながら 「俺が生まれた時のこと覚えてる?」と聞くと、まるで昨日の出来事だったかのように、お袋の口から言葉がすらすら飛び出してきた。
「予定日は9月1日だったのよ。でも全然産まれる気配がなくて、9月1日に病院に行くと、まだしばらく生まれませんね、と先生が言ったの。
当時は産休の手続きも面倒で、日にちを書き換えたりしなきゃいけなかったわ。
だから先生にいつ生まれますか?と聞いたら、そんなこと私にはわかりませんよって(笑)。
お腹の中のあなたがずいぶん大きくなって、おばあちゃんがあんまり大きくなると出産が大変よって言ってたのよね。
それで9月8日にやっとあなたが生まれたんだけど、大きくなってたから、ちょっと切ったりしたのよ」
へ〜そんなことがあったんだ。
そういえばお袋と誕生日を一緒に過ごすなんて、実家に住んでいた高校の頃以来かもしれないな。
50年以上親子をやっていてもまだまだ知らない事があるし、何か進化しているような感じもする。
今年は親父が死んでちょうど20年。58歳だった。
ちょっと早すぎたよな。あと6年で親父の歳に届いてしまう。
親父とゆっくり男の話がしたかったけれど、お袋とこういう話ができるようになったのも、親父の置き土産だったのかもしれない。
数時間一緒に過ごした後、お袋は40年も前に担任した教え子に会いに行くんだと電車に乗り込んだ。
その教え子は、宇都宮に帰省するたびに挨拶に家を訪ねて来るんだそうだ。
先生としてもお袋は誰かの人生に大きく関わっていたんだと知った。
ちょっと特別なバースデー・プレゼントをもらったような、そんな誕生日。