メンフィスからミシシッピの旅の紹介も今日が最後になります。
BBキング博物館のすぐ近くにある、クラブ・エボニー。
現在は特別な折にしかライブをやっていないけれど、ミスター・キングはじめ、レイ・チャールズ、カウント・ベイシー、アルバート・キングなどもプレーした歴史のあるクラブですね♫
ミシシッピと言えば、まず思い浮かぶのが広大な綿花畑。
今回の旅でも綿花畑を目にしてミシシッピにやってきたことが実感されました。
でも実際には豆やコーンなど他の植物もたくさん栽培されていて、 それらがエネルギー源に替えられたり、家畜の肥料になったりと、広く使われているようですね。
そして旅のクライマックスの一つとも言えるのが、ベントニアのブルー・フロント・カフェでのジミー”ダック”ホームズとの出会いでした。
ドアを開けて中に入ると、すぐ目の前の椅子にジミー本人が座っていました。
自己紹介をして、彼が出ている映画”I AM THE BLUES”のパンフレット手渡すと、
「じゃあ外で話をしよう」とジミー。
なんとこの店は、来年で開店50周年!!
50年間、写真のように柱に足をかけていたのか、柱もいい感じで曲がっています(笑)。
50年も店を続けてきたのは本当にすごいことで、貴重なジューク・ジョイントですね。
ミシシッピのデルタ・ブルースにもいくつかの流派のようなスタイルがあって、ジミーはベントニア・ブルースと言う、まさにこの地に根付いたスタイルをプレイする第一人者。
ギターをオープン・チューニングにする事はブルースではよくありますが、マイナー・オープン・チューニングを使うのが、ベントニア・スタイルの特徴です。
このチューニングの効果で、実にブルージーで深いフィーリングが出せるんですね。
プレイを聞かせていただけますかと尋ねると、すぐにオーケーと言ってくれステージへ。
(自らビールの栓を抜いて手渡してくれた。シカゴの帽子がナイスです^^)
PAをオンにして、ガサゴソとノイズを出しながらギターにケーブルをつないで演奏が始まりました。
「一緒にプレーするか?」
と言っていただき、お店に置いてあった、多分10年くらい弦を替えていない(笑)ギターを借りて、ジャムセッションが始まりました。
自分のスタイルを継承する次の世代がいないんだ、と寂しそうに語っていたジミーは現在71歳。
これからもずっと活動を続けて、我々下の世代のミュージシャンにどんどん刺激を与えて欲しいと願っています。
旅の最終日は、ミシシッピの州都ジャクソン。
マラコ・レコーズの本社兼スタジオへ。
ドロシー・ムーアの"Misty Blue"や、ボビー”ブルー”ブランドの"Members Only"など、名曲をたくさん出してきた、サザン・ブルース、ソウルの名門レーベルです!
酒屋に行くと、見つけました、コーン・ウイスキー。
これはアメリカ南部じゃないと買えない一品。
こちらも歴史のあるアラモ劇場。
歩道には、サニーボーイ・ウィリアムスンはじめ、BBキング、ドロシー・ムーアなどの石碑も埋められていました!!
今回一緒に旅した仲間たち。
写真左から時計回りに、堺ブルース・フェスティバルの実行委員でベーシストの河野さん、堺の老舗ライブバー"House of Jazz"のオーナー小島さん、熊本のシンガー狩場さん、そして熊本のキーボーディストでカメラウーマンの千景ちゃん。
でっかいステーキやキャット・フィッシュ(ナマズ)を食って乾杯!!
腰は最後の方ではすっかり回復。みなさんの優しい心遣いのおかげです。