昨日の続きです。

ブルースのメロディーを身につけようと思ったら、やはりブルースの歌を覚えるのが一番ですね。これは間違いない。

1995年、ジュニア・ウェルズの全米、カナダツアーに連れて行ってもらった時の事。ある夜、楽屋でジュニアが「シュン、ブルースマンは歌わなきゃだめだ」と言ってきました。当時は歌ってなくて、自信もないし、英語の発音もネイティブじゃないし「いやあ、歌はいいですよ。英語もよくわからないし」と言うと、「大丈夫だ。俺についてこい」と言って、リトル・バイ・リトルのコーラスのパートを歌いだして、一緒に歌わされたのが最初でした。

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(ジュニア・ウェルズは存在そのものがブルースだった)


ジュニアとのツアーの直後からステージでも歌うようになったのですが、歌自体が未熟な上に、日本語訛の英語で、歌い始めると前の方のお客さんがクスクス笑うのが見えて、屈辱的な思いでしたねえ。目をつぶってほぼイヤイヤ歌っている感じでした。それでもJWウィリアムスやココ・テイラーは歌を辞めろとは言わず、逆に歌いたくないそぶりを見せると、カモンと言って叱咤激励されて、毎回最低1曲は歌わせてくれた。ココのギグなんて、通常数千人、時にはシカゴ・ブルース・フェスみたいに3万人くらいの前で演奏する訳ですから、そこで歌ったのは今にして思えばすごい経験だったわけです。


歌にはブルースのメロディーの一番おいしいところが凝縮されていて、それを何曲も覚える事で、ブルースのメロディーのバラエティーを身につけていた。そしてこれが、ギタープレーにも多いに役立っていたんですね。

今でも、自分の中ではギターが9で歌が1くらいの比重で思っていますが、歌い続ける事で曲が自分の中により深く入っていって、ギターの表現も確実に広がっているのを感じます。いつか歌でも自分のフィーリングを表現できるようになればいいな、と思います。今後10年間の一つの目標ですね。

ブルースはまずは歌から。ジュニアも、ココもJWもそれを教えてくれたんですね。そう思うと、彼らへの感謝の気持ちが大きくふくらんできます。

ブルースギターを弾いているみなさんも、ぜひ歌に挑戦してみましょう。上手い下手ではなく、歌う事からブルースは始まるという気持ちでいきましょう!






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K2さん:そう感じてもらえて嬉しいです。自分の中にあるフィーリングはブルースそのものなので、少し形が変わっても中身は同じかなと思っています。
happyさん:ぜひ歌ってくださいね。ギターでも、声でも。
ロバート・彦ちゃん:いいですね~。頑張ってくださいね!
コーヤン:ブルースの歌心は、他とも共通するものですよね。顔面養成ギブスが必要っすか?笑