食事が終わって、リビング・ルームに向かう。
アメリカの家にしてはごく普通の大きさのリビングルームに、PAスピーカーやアンプやドラムなどを入れて、いよいよジャムが始まろうとしていた。
ソファーの真ん中にジャックが座り、ミュージシャン達も、ぼちぼちリビングに集まって来た。

菊田俊介オフィシャルブログ「菊田俊介ブルース日記」Powered by Ameba-オーティス&リッキー(オーティス・クレイと、いまだ療養中のブルースマシーンのリッキー・ネルソンが談笑)

マイク・ウィーラーのバンドに、ジミー・ジョンソンが入って、演奏が始まった。2曲目からはシュガー・ブルーがハーモニカで飛び入りして、一気にプレーがヒートアップする。
とはいっても、リビングルームでの演奏だから、音量は普段の半分以下。こうして押さえた音量でじっくり聞くブルースもいいものだ。

ジャックを見ると、時に目をつぶって、自分のためにプレーされた音を全て受け止めようとしているようだった。

オーティス・クレイや、リコ・マックファーランドも続けてどんどん歌い、プレーする。

菊田俊介オフィシャルブログ「菊田俊介ブルース日記」Powered by Ameba-ジャックのジャムセッション(ちょっと暗くて見にくいけど、写真の左でギターを弾いているのがジミー・ジョンソン。右のハーモニカがシュガー・ブルーで、その後ろでギターを弾いているのがマイク・ウィーラーだ)

これだけのラインナップを一度に見れるのは、大きなブルース・フェスティバルくらいだ。
それが、ジャックの家のリビング・ルームで行われている。もちろん誰一人として、ギャラを求めたりしない。
ジャックのブルースやミュージシャン達への人一倍の愛情が、実現させたのだ。

レッスンがあったので、ジャムの途中で引き上げる。演奏の邪魔をしないように、そっと玄関を出ると、奥さんのキャットが追いかけて来た。
「シュン、今日は来てくれて本当にありがとう。ジャックにとって最高の一日になったわ」
「うん、呼んでくれてありがとう。二人に会えてよかった」
「あなたは、ジャックのお気に入りだったのよ」
「うん、また会えるといいね」

"God bless you, Jack" 
帰りの車の中で、何度もつぶやいていた。