オーディトリアム・シアターは、各種コンサートやミュージカルなども行われる歴史のあるシアター/コンサート会場で、数多くあるシカゴの会場でも、一番大きいらしい。4階のバルコニーまでいっぱいになると3700くらいのキャパだそうだ。

5時前に会場入り。ココやクッキー、アリゲーター・レコードのココ担当マネージャーのマットもすでに来ていて、ステージでは、アンフリー・マギーのメンバーはすでにリハをやっていた。

”Let the good times roll”と、”Come to mama"の2曲を彼らとリハって、サラダ、サーモンやステーキなどのディナーを地下のカフェテリアで食べて出番までしばらく待つ。

8時半にキックオフ。ステージが始まって30分もすると、会場はほぼ満員の客で埋め尽くされていた。
アンフリー・マギーは、ブルースファンには馴染みの薄いバンド名かもしれない。
でも、ジャムロックの好きな人の間では熱狂的な人気のあるバンドだ。
大晦日まで3夜続けて同会場でライブを行って、3日間で1万人を動員している。それだけでも人気の高さがわかる。ちなみにFujiロック・フェスにも2年前に出演したと、ギターのジェイクは言っていたね。

菊田俊介ブルース日記-アンフリー・マギー4 菊田俊介ブルース日記-アンフリー・マギー3
(超テクギターのジェイク・シニンガー。最近、人気の高いフュークスとマーシャル・アンプを併用していた)

グレイトフル・デッドとピンク・フロイドとフランク・ザッパが合わさったようなサウンド。これにジョー・サトリアーニのギターが入ったって感じだろうか。
とにかくパワーがあって、曲のアレンジもアンサンブルも相当に練られたバンドだね。
メンバーの力量はすごい。
この10年くらい、アメリカではジャムバンド全盛という感じで、フィッシュなどメジャーなバンドがいくつも出ている。
彼らの曲は、従来のロックのように最初から最後までアレンジがしっかりなされた曲ばかりでなく、いくつか設定されたアレンジの中で即興でどんどん遊んでいくのが特徴だ。
特にこのバンドは、ジェイク・シニンガーと、ブレンダン・ベイリスのかなり強力なツインギターが全面に出ていて、テクニカルなギターソロでどんどん弾き倒して行く。

客も当然ノリノリで、3500人の大ロックパーティーだ。
25年前の自分は、彼らの様になりたかったんだよな、なんて思ったりしながら見ていた。

1セット目の最後の方で、ココと小生がステージに呼ばれた。
シャッフルのリズムにもお客さん達のノリはかなり良かったね。
シカゴのロックファン達も、ブルースをけっこう身近に聞いていたりするものだ。

こうして2008年の幕は閉じ、2009年に突入。
12月は、Kennedy Centers Honorsへの出演や、この大晦日ライブへの参加など、ブルースとはまた違った大きなイベントを経験させてもらって、ものすごく刺激を受ける事が出来た

2009年への大きな弾みになったね。うん、いい感じだ。

菊田俊介ブルース日記-アンフリー・マギー2 菊田俊介ブルース日記-アンフリー・マギ-1
(左は、ブレンダンのエフェクト類。彼らは、休憩中も、楽屋で音合わせをやっていた。音に対するこだわりが凄いのだ)