東京目黒ブルースアレイジャパンで行われた菅波ひろみさんの”The Blues BB King Loved”に出演させてもらって、改めてB.Bキングについて考えた。
B.Bキングの音楽と出会って40年。
“ Live at the regal”を聴いて感動して以来、彼の音楽を追い続け、活動の軌跡をたどり、そして直接本人にお会いして共演する機会もあり、外と近くからミスターキングを見ることができたのは本当にラッキーだった。
(テレビ番組 An evening with BB King の撮影現場より)
ミスターキングから学んだことを2つに要約すると、以下のようになるかと思う。
1、Persistent (粘り強さ)
いかに才能があって、運に恵まれても、70年もの間、シーンのトップで活躍するなど並大抵の事ではなし得ない。いろんな葛藤や挫折や障害があったはずで、それを一つ一つ乗り越えながら最後まで現役を通し活動された。そこには愚直なまでの粘り強さがあったのはよくわかる。長年続けるためには、心身ともに健康でいなければいけないし、普段の生活からいろいろ気をつけていたはずだ。一見地味なことだけれど、継続は力なり、何よりも大切なことだと実感させられる。
2、Flexibility (柔軟性)
同時に彼はとても柔軟な人だった。彼の音楽にしてもファンクだったり、R&Bだったり、あるいはロックだったり、その時代のニーズに合わせて取り込んでいき、いろんなアーティストたちとのコラボを通して、自分の世界を広げ深めていった。もちろん、時代に流されるということではなく、確固たるブルースにそういった要素を付け加えて、幅を広げ、深めさらに多くのファンを獲得していったのだ。レコード会社やプロダクションの意向もあったにせよ、本人がそれを受け入れ、取り入れるだけの心と音楽の柔軟性があったからこそ、時代の波をくぐり抜けて来れたのだろうと思う。大物と呼ばれるようになると、自分の型に凝り固まってしまいがちだけれど、最後までミスターキングはチャレンジャーだったと思う。
この2つに加えて、ミスターキングの特筆すべきところは、謙虚さ、感謝の気持ちを忘れずに持ち続けた彼の人間性ではないか。才能と謙虚さの両方を持ち合わせている人物は、なかなかいないものだ。ミスターキングは、その2つを持ち合わせた存在だった。
自分自身が、長い間活動を続ければ続けるほど、ミスターキングの素晴らしさをさらに発見するし、彼から学ぶことが多いのを実感する。