西武新宿線の下り駅メロは一体何者なんだ・・・?
西武新宿線の下りの発車メロディーって面白いんだよね
1小節目の主旋律はミ・ド・レ・ミ。下に入るミは合いの手的なニュアンス。
最初だけ聞くとミドレミだからハ長調かなって思うんですよ。特に初見の人は。
ところがどっこい
最後ファ#?!超短い駅メロの分際でこんな変な終わり方してくるんですよ。
やるんなら、ミ・ド・レ・ミからのソ↑~でも全然成り立つんですよ。ミ・ド・レ・ミ・「ド↓」~でもCのメジャーとして聞こえるけども主音で終わると原曲の意味合いを端っから無視してしまう事になるんで。単調すぎてダサくなるんで。
そして我々は疑問に思うんです。この曲ってハ長調なのか?それとも最後にファ#が来るからト長調なのか?と。
それで考えてみました。これの調の正体とやらをね。
そもそも、なしてこの終結に至ったのかってのは多分音の響きに関わってくるんですよね。
例えば仮に最後の音をファ♮とするとどうなりますでしょう。
そうです、ファ♮は前音のミと半音同士だから音がぶつかっちゃうんです。音色のサスティンが長くて前音のミが最後の音に続いてしまうんで。
ファで解決したい時の回避方法として
下の音をこんな感じに変えるってのがあるかと思うんですけど、まあこうすると自ずとヘ長調になりますね。
で、結局調的にミドレミに対してファ#って何かと。
端的に考えてト長調だとしても、主音のソは一切表に出てこない陰キャムーブメントを繰り広げ、挙句の果てには導音で締めて終わるって、、調の証明をするにはあまりにも説得力に欠けると思いませんか。
だからここは一旦、ミ・ド・レ・ミのモチーフからハ長調として考えていきましょう。
さて、ファ#
お前は何だ
少なくともスケール的には一般的なドレミファソラシドではないのは確か。
・・・
ああ、ホールトーンかお前もしかして。
ドレミファソラシドとは違って、全てが全音のインターバルで成り立つスケールってのがこれ。
全音の響きだから、ピアノでペダル踏んだままこのスケールを弾いても濁らないのが特徴。魔法がかかったような、ミステリーな、ファンタジアな雰囲気をぶっ放してくる。
ド・レ・ミはドレもレミも全音。ミファは半音だからミの次にファ#が来る。
最後をファ#にする事でドレミとぶつからなくさせずして、偽終止とは違うけど予想を裏切る終わり方をしてくるのは駅メロという注意喚起には相応しいもの。
ホールトーンなら1小節目からミドファ#レにする事もあったのかもしれない。ただこれは結構強烈で身構えてしまう。
最初はミドレミで我々を油断させて最後で落としにかかってくる。これで丁度良いんだと。
作った人はとても計算高い人種なんじゃないか。恐ろしい。いいぞもっとやれ。
だから新宿線の下り駅メロはハ長調のホールトーンスケールで成り立った音楽。という事でいいと思ってる。