Q1.声優を目指したキッカケは?
高校時代の部活で怪我をしたことをキッカケに、友だちの勧めで声優を目指すようになりました。
僕は声が大きくてしゃべるのも上手いということで友人 から、アナウンサーやスポーツキャスターならスポーツの世界に身を置きながら、自分が得意とするところで仕事ができるじゃないかと言われて、しゃべる仕事 を勧められました。
その友人はアニメの声優ファンだったんですけど、見せてくれたアニメ雑誌の中にあった専門学校の入学案内を取り寄せてきて、それを機に アナウンスの学校に行こうと思っていたんです。
ですが、声優コースを見たらみんなでダンスをしたり、お芝居をしている感じがすごく楽しそうだったんです。
そうしたら、その友人に「そんなに興味があるならそっちのほうがいいんじゃないの?」と言われて。
声優になればいろいろな役ができるとも言われたので、 「そうだな、上手いこと言うな」と納得させられて、声優を目指すことにしました。
Q2.さまざまなキャラを演じる時に心掛けていることは?
自分がやらなくっちゃいけない役の設定や育ってきた環境などバックボーンを理解するということが、演じ分けるポイントですね。
たとえばの話、この役 の父母はどういう人で、どんなところで育ってこういう風になったとか、何を食べているんだろうとか。
いろいろなものを、設定から派生して考えながらその役 を理解することをいちばん大切にしています。
絵の雰囲気を見て「こんな感じ」とか、そういう浅い部分ではなく。
そうやって、表面的な演じ分けをやってしま うと、何を演じても同じ雰囲気になってしまって、絶対壁にぶつかるんですよ。
ちゃんとその役を理解すれば声色などを使わずに役になりきって演じられると思 います。
僕はそれで30年近くやっています。
なので、「この役はこのあいだと同じだな」という役はひとつもないですね。
Q3.もし声優じゃなかったら何をしていたか?
声優を目指したキッカケにもありましたが、体育の学校に通っていたので、怪我がなければ地元の中学校で怖~い体育の先生をやっていたと思います。
公務員として安定した生活、老後を迎えようと思っていたんですよ(笑)。
それ以外では、親が絵かきで小さいころから家の半分がアトリエのような感じだったんです。
そんな中で、遊び道具が絵の具だったりしたので、食べていくとか生活とかそういうリアルな話はとくに考えなければ、「僕もこれをするんだ」みたいな 感覚がありました。
なので、もしかしたら仙人みたいなヒゲを生やして山奥で絵を描いていたかもしれません(笑)。
そういう仙人みたいな人ばかりが親の知り 合いだったりして、そういう人たちの話を聞いて育ったので、将来のことを真面目に考える前は、絵を描いて生活をしていけばいいのかなみたいなことはありました。