Q.声優になったキッカケから伺っています。興津さんが声優になろうと思ったのはいつ頃のことですか?
小学校5年生ですね。
『魔神英雄伝ワタル』が好きで、親戚のアニメ好きのお兄ちゃんから、「ワタル(CV:田中 真弓さん)とヒミコ(CV:林原 めぐみさん)がNHK教育テレビでサルの双子をやってるぜ!」(『ともだちいっぱい』)という話を聞いて観てみたら、言われてみればたしかに同じ人で(笑)。
そこで声優という職業を知り、自分もやってみたいと思ったのが大元のキッカケです。
Q.早いですね!
とはいえ、まだ小学生ですからね。
周りも「声優ってなに?」というくらいの認識だし、どうやったらなれるのかわからないので、そのままになってたんですよ。
で、そのうち『ミスター味っ子』が大好きになり……料理人に俺はなる! って思っちゃったんですよね(笑)。
Q.声優はどこいっちゃったですか!?(笑)
あははは!(笑)
だから小6のときの夢は料理人で卒業文集にもそう書いていたんですが……中学以降、もっとアニメを観たりアニメ雑誌を読むうちに、また声優になる夢が復活していったんですよ。
で、高校に入った頃には、その第一歩として放送部に入るか演劇部に入るかで悩みました。
Q.どちらを選んだんですか?
クラブ紹介を聞くと、放送部はドラマを作ったり、アナウンスや朗読の練習もできる、オーディオ機材にも触れられる。
それが面白そうだったし、先輩も可愛かった!(笑)
よし、放送部にしよう! と3年間。勉強の成績は悪かったですけど、先生には頼られてました。
Q.高校卒業後、興津さんは大阪芸術大学の放送学科に進まれたそうですね。声優という目標に直結する学校ではないように思えますが?
正直にいえば、第一志望の大学ではなかったんですが、いきなり声優や芝居の学校に行くより、放送学科なら親が納得してくれそうだし、後でつぶしもききそう。
資料の隅っこにも「声優」の文字があったので、ちょっとずるがしこい思惑で入学したんです。
Q.どんな大学生活でしたか?
声優になりたい気持ちはずっとありましたが、それまでは芝居の勉強をちゃんとしたことがなかったんですよね。
高校時代、演劇部の友人に誘われて舞台に立ったことがあるくらいだったので、大学で学生劇団に入ったんです。
大学時代は、芝居ばかりでしたね。
Q.どんなお芝居をされていました?
最初に入った劇団は人間ドラマを突き詰める作品が得意なところだったので、僕にはあまり向かなかったんですよね。
なんせ、マイクマンをやっちゃってた男ですから(笑)。
4年生で別の劇団に移り、なかなか壮大な作品を演じてましたね。
アナウンスの勉強は大学、お芝居の勉強は劇団で。
大阪の劇団には、僕が東京に出てきてからも何度か参加してました。
何年か前に解散しましたけど、一緒に芝居をやっていた友達で、今、こっちで大作ミュージカルに出演するようになった人もいますね。
そしてそれと同時に、在学中は声優養成所の週末レッスンコースにも通っていました。
Q.着実に声優という目標に向かって進んでいたんですね。そして大学卒業後は?
声優養成所のほうで在学中に事務所が決まり、上京して役者としての活動を始めたんですが、仕事はあまりなかったですね。
そのときも小劇場劇団ではありますが、芝居はずっと続けていました。
そして最初の事務所からは途中で離れ、数年前は一時フリーで活動していて。
そのとき……たしかナレーションの現場だったと思うんですが、今の事務所のケッケコーポレーションの方が声を掛けてくださって、今に至ります。
Q.このインタビューを読んでくださっている乙女ゲームユーザーにとっては、アニメも大人気だった『BROTHERS CONFLICT』の朝日奈雅臣役が印象的だと思います。
そうですね、女性は『ブラコン』で初めて僕を知った方が多かったみたいです。
Q.それまで女性向けアニメへのご出演は……。
ほとんどなかったですね。
ちゃんと人に気づかれる役だったのは、『好きっていいなよ。』のストーカーくらいじゃないですか?(笑)
そういえば、BS11が『好きっていいなよ。』からの『ジョジョ』という番組表だったことがあって、さっきまでストーカーしてたヤツが『ジョジョ』になったら「僕は紳士だ!」と言ってるから、面白くてしょうがない。
すげぇな、俺! 大丈夫か、俺? と思いましたね(笑)。
Q.その『ブラコン』こと『BROTHERS CONFLICT』ですが、これは主人公にいきなり13人の男兄弟ができてしまうという設定から斬新でしたね。
13人+リス(笑)。
で、雅臣は小児科医の長男ですね。
これはゲームが先だったんですけど、乙女ゲーム自体は、それ以前もオトメイドさんにお世話になったりと経験があったので、内容にさほど驚きはなかったですが、こんなに大きな作品になるとは思っていなかったです。
しかも、他のキャストが超豪華。
そこで僕が長男でいいんですか? どうしましょう! と思ってましたね。
Q.いえいえそんな!
ゲームのときはまだいいんです、収録も一人ずつなので。
でもアニメとなると、みなさんとの絡みもあるわけですし……僕への演出は「お兄ちゃんで!」でしたけども(苦笑)。
Q.“お兄ちゃん”は、どのように演じたらいいのですか?
おどおどしないことですね。
ゲーム版での雅臣は長男だけど頼りなくて、医者のくせに血を見ると気絶するヘタレなところのあるキャラクターだったんですが、アニメでは細かいところまでは描けないので、まずしっかりしたお兄ちゃんでいきましょうと、スタッフさんと話をしました。
Q.優しいお兄ちゃんですよね、雅臣は。梶裕貴さんが演じる末っ子の弥をいつも可愛がっていて。
主人公をめぐっては、最大のライバルですけどね!(笑)
そういえば、オフィシャルでキャラクター人気投票をやったときも、雅臣のキャラクターグラフィックには必ず弥がセットで描かれていたのが、面白かったですね。
本日も読んで頂きありがとうございます*\(^o^)/*