2003年 大学入試共通テスト
追試験 日本史
第1問
あくまでも、受験生が試験会場でできる思考方法で解いていきます。
第1問を解くために必要な知識はこれだけです。
【必要な知識】
神仏習合 密教で行われていた
南蛮人 主に九州に来航した
浮世絵 近世に描かれた絵画
ペリー 日本を「太平洋を使って清に行くための寄港地」としたかったため開国を要求した。
戦前の天皇 陸海軍を統帥していた
小村寿太郎 近現代に活躍した
問3のYと問4が少し難しいです。ただし問われていることはこの程度なので、共通テストタイプの学習を繰り返していれば、全問正解も十分に可能です。
問題文はこちらにあります。
https://www.dnc.ac.jp/albums/abm.php?d=434&f=abm00003695.pdf&n=2023_os_05_nihonshiB.pdf
問1 ① 正誤判定
X 小村寿太郎は外務大臣を務めた政治家である。彼が主に活躍した時代には他の時代に比べ,政治・外交分野に分類される人物の肖像の数が多い。
解説
小村寿太郎は近現代に活躍した人物です。近現代の肖像画は表1を見ると「他の時代に比べ」て,「政治・外交分野に分類される人物の肖像の数が多い」ので、この選択肢は正しいと言えます。
Y 歌川広重は多くの浮世絵作品を残した。彼が主に活躍した時代には政治・外交分野に比べ,学問・芸術分野に分類される人物の肖像の数が多い。
解説
歌川広重は近世の人物です。歌川広重のことを仮に知らなくても浮世絵が近世の絵画であるとわかれば、近世の問題であるということがわかります。
近世の肖像画は表1を見ると「政治・外交分野に比べ」て,「学問・芸術分野に分類される人物の肖像の数が多い」ので、この選択肢は正しいと言えます。
【必要な知識】
小村寿太郎 近現代に活躍した
浮世絵 近世に描かれた絵画
問2 ④ 年代整序
解説
Ⅱは,古代に描かれた壁画です。
Ⅲは,近世に描かれた浮世絵です。
Ⅰは,近現代に描かれた西洋画です。
よって、ⅡーⅢーⅠの順となり正解は④です。
問3 ③ 選択問題
X イエズス会宣教師。1549年,キリスト教を布教するために来日した。
解説
Xの人物はフランシスコ=ザビエルです。ザビエルは鹿児島に来航しキリスト教を布教しました。鹿児島という地名まで分かっていなくても,当時の南蛮人は主に九州にやってきたということがわかっていればbであると言うことが分かります。
Y 東インド艦隊司令長官。1853年,軍艦4隻を率いて来航した。
解説
Yの人物はペリーです。ペリーが日本にやってきた理由は,日本を「太平洋を使って清に行く際の寄港地」にしたいと考えたからです。つまり当時は,太平洋を使ってアメリカから清に行くのが難しかったということが分かります。
日本を開国させる前にdのルートをを使うことは難しいので正解はcとなります。
【必要な知識】
南蛮人 主に九州に来航した
ペリー 日本を「太平洋を使って清に行くための寄港地」としたかったため開国を要求した。
問4 ③ 誤文選択
① 出家していても髭のある肖像画の作例を調べる。
② 長谷川等伯と武田信玄との関係を調べる。
③ 足利氏が二引両を初めて家紋に採用した時期を調べる。
④ 武田信玄が鷹狩を好んでいたかどうかを調べる。
解説
③ 「足利氏が二引両を初めて家紋に採用した時期」を調べても、武田信玄の肖像画であると断定する決め手にはなりません。武田氏が足利将軍家の家紋を使用した例があるかなどを調べた方が良いです。そのためこの選択肢が誤りとなります。
① 「出家していても髭のある肖像画の作例」が他になければ,この肖像画が武田信玄の肖像画であると断定できなくなります。ですから,この方法は正しいと言えます。
② 「長谷川等伯」と「武田信玄」との関係がなければ,この肖像画が武田信玄の肖像画であると断定できなくなります。ですから,この方法は正しいと言えます。
④ 「武田信玄が鷹狩を好んでいた」という事実がなければ,この肖像画が武田信玄の肖像画であると断定できなくなります。ですから,この方法は正しいと言えます。。
問5 ⑦ 空欄補充
X ・長いヒゲを蓄える
・冠の上に,中国風の冕冠をかぶる
・神仏名の貼り紙がある
・天皇の前に狛犬が描かれる。
・[ ア ]
↓
[ イ ]としての天皇像
ア a 禅宗の僧侶が用いる座具に座る b 袈裟さを着て密教法具を持つ
イ c 武力による支配を行う統治者 d 神仏と一体化した統治者
解説
張り紙を見ると「天照皇大神」や「春日大明神」といった神道に関する文字があると同時に「八幡大菩薩」という仏教に関する文字もあります。つまりこれは神仏習合を表した絵画となります。
ですから空欄イはdとなります。
また,神仏習合を行ったのは密教なので,空欄アはbとなります。
Y ・整えられたヒゲを菩える
・軍帽を机に置く
・軍服を着て,サーベルを持つ → ・欧米列強における君主,[ ウ ]存在
・胸に勲章を付けている
・背筋を伸ばし椅子に座る
ウ e 陸海軍を統帥する f 日本国民を象徴する
解説
肖像画を見ると,軍服を着て勇ましい様子が描かれています。明治時代は天皇が陸海軍を統帥しました。また天皇が国民の象徴となるのは戦後のことです。ですからeが正解となります。
【必要な知識】
神仏習合 密教で行われていた
戦前の天皇 陸海軍を統帥していた
問6 ① 選択問題
X 表2のうち.歴史上実在する人物の中には.平安時代以前の人物で.天皇に意見を上申したり.政治を助けたりした者がいる。
a 忠君愛国 b 主権在民
解説
「天皇に意見を上申したり.政治を助けたりした者」ということは国のために尽くした人物となります。また平安時代以前には主権在民の考え方はありませんでした。ですからaが正解となります。
Y 表2によれば. 1980年以降になると,学者や作家が取り上げられるようになったことが分かる。
c 科学技術・文化のアピール d 軍事・経済力のアピール
解説
「学者や作家が取り上げられる」ようになるということは,科学技術や文化のアピールとなります。正解はcです。