お陰様で私は多くの学習参考書を世に問うています。
今週も
『「なぜ」と「流れ」で覚える日本史年代暗記』を東進ブックスさんから出版させていただきました。
また、歴史総合と日本史探究という新しい教科の登場により、
現在、学習参考書だけで9冊の執筆を抱えております。
しかし私は学習参考書を読んだことがありません。
こういう動画を作ったくせに、お恥ずかしながら実況中継も書店で立ち読みしたことしかありません。
受験生の時は少し読みました。
しかしこの仕事をしてから、最初少し読んだのですが全く読まなくなりました。
勘違いをして頂きたくないのですが
「自分が一番だから読まない」
というわけではありません。
学習参考書の目的は入試問題が解けるようになることです。
残念ながら、これ以外に目的はありません。
つまりゴールは入試問題なのです。
そして入試問題は高等学校で習った内容から出題されます。
高等学校では教科書を用いて授業が展開されます。
ですから私の書棚には、教科書と入試問題ばかりです。
ただ入試問題はXamというデータベースがあるので、現在は、そちらに収載されていない大学以外、紙では残しておりません。
教科書はそれこそ出版されるものを全て購入しています。
これは30年間続けていることです。
高等学校の日本史の教科書は全種類、
高等学校の世界史の教科書と、中学校の歴史教科書、小学校の歴史教科書はシェアの多い出版社のものを改訂するたびに購入しています。
学習参考書は一切購入しません。
強いて言えば山川出版社さんの『日本史用語集』は購入しております。
『日本史用語集』を購入している理由は、早稲田大学など一部の大学で『日本史用語集』の文章を、ほぼそのまま用いた問題が出題されるからです。
つまりこれも「入試問題」というゴールが購入の動機となっています。
ゴールに向かった研究をしていると、
それで手一杯になります。
日本史 B と日本史 A の教科書だけでも十数冊になります。
これが教科書改定の時には完全に改定されますし、
改訂版という形で細かく改訂される場合もあります。
それらの情報はすべて手に入れて全て購入するように心がけています。
これだけならまだいいのです。
入試問題は膨大です。
私自身、全国の主要大学の入試問題を全て解いておりますが、
これだけでも、毎日1時間とかでは、とてもではないが解ききれる分量ではありません。
正直私は怖いです。
だって年明けになると入試が始まってしまうのですから。
そうするとまた膨大な入試問題が私に向かって押し寄せてくるからです。
ですからとてもではないが学習参考書を読む余裕がないというのが現状です。
一般の書籍と違って学習参考書の場合は類著を求めていないと考えます。
ですから私は類著の研究は一切しません。
出版社との会議に参加すると多くの学習参考書を手に担当者が現れたりすることがあります。
しかしそれは一般書の会議であると考えます。
一般書なら類著を参考にして、ある程度のシェアの取れるものを狙っていくという方法はあるのかもしれません。
しかし学習参考書で求められているのは、その人に一番ぴったり合ったオンリーワンです。
そしてそのオンリーワンは何かというと
とても簡単で入試問題が解けることです。
ただ私が過去に唯一深く読み込んだ参考書があります。
それは研文書院さんの『大学への日本史』です。
安藤達郎先生の著作です。
現在では絶版となっております。
※現在は、東洋経済さんから『いっきに学び直す日本史』という形で部分的に出版されております。
私はあの本を読んで、1年間の講義のやり方を学びました。
その上で教科書と入試問題を研究することで、自らの講義を構築しております。
読者の方から
ある参考書についての意見を聞かれ、それにお答えできない理由を
お答えさせていただきました。