新橋演舞場の年末公演が
劇団新派の『三婆』ということで、演舞場へ。

こちらは、夏からの巡業の舞台も三越劇場で拝見しましたが、
今回は、巡業で佐藤B作さんが演じた重助を、
笹野高史さんが演じることも楽しみ。

B作さんの重助は、
ボードビリアンとして、お客を楽しませることに徹した重助であったが、
笹野さんの重助は、
楽しませるのではなく、お客が自然と楽しんでいく芝居で、
B作さんの重助とはまた別の良さがあって、両方観ることができて非常に満足できた。

今回、三婆のキャスティングは見事。
タキに沢田雅美さんをもってきたことが、
喜劇としての振り幅と人情ドラマとしての振り幅のバランスが良く楽しめた。

波乃久里子さんの松子は、若干疲れ?みたいなものが見えたが、圧巻の芝居。
水谷八重子さんの駒代もニンで本当に良かった。

あとは、井上恭太さんと松村沙瑛子さんの夫婦が、
前回の三越劇場と比べてずいぶん成長していた。
はたきで旦那を叩くところも、ある意味新派の常識を覆すような思いっきりの良さで楽しかった。
沢田雅美さんの強烈な「タキ」を相手によくぞここまでといった感。

矢野淳子さんの福祉事務所係員が、
昭和の福祉事務所係員にしか見えないところが良かった。
三原邦男さんの植木屋と、半田真二さんの馬場は、まさしく昭和の新派を観ている感で良かった。

年忘れに良い芝居です。
23日までなので、ぜひとも足を運んでください!!