松也くん

最近、尾上松也くんがクローズアップされているようで嬉しい次第です。

ちゃんとした形で一緒になったことはありませんが、

「歌舞伎役者」「梨園のホープ」

といった形で報道されていますが、

非常に苦労人だと聞いております。


お父様は、尾上松助さんという、脇役の本当に巧い人でした。

「いぶし銀」という言葉が、まさにピッタリの味のある役者さんでした。


そのお父様が、松也くんが20歳の時に亡くなりました。


これは歌舞伎界で生きていくには大変なことです。


20歳というと、声変わりが終わって、やっと舞台に出られる時です。

その際に、最大の後見人である父親がいなくなることは、

なかなか役がつかないこと、

場合によっては「役者廃業」の危機となるのです。


しかも松助さんには、

あの味わい深い芝居でお客様をドッと笑わせる徳松さんをはじめとしたお弟子さんが何人もいらっしゃいます。

20歳で、最大の後見人を亡くし、お父様のお弟子さんたちを抱え、

相当の苦労を味わったと聞いております。


以前に比べて、顔も芝居も線が太くなって、

大役を果たせるようになった松也くん。


公私ともに幸せになって、

次代の歌舞伎界のホープとして活躍してもらいたいものです。