大阪での講演の仕事を終えて、14時の新幹線に飛び乗り、

名古屋の御園座で「青砥稿花紅彩画」の通し。

いわゆる弁天小僧。


今回は、あまりかからない場面がたくさんあったので期待して行った。

序幕は、「初瀬寺花見の場」、「神輿ヶ嶽の場」、「稲瀬川谷間の場」の三場

三場を通して、五人男の素性が次々にわかっていく展開が飽きさせない。

一人一人、五人男のスターが出てくるたび、ワクワクさせる。

ただ、これも『白浪五人男』を知っているから、そう思うのであって、

知らなければ、印象はずいぶん違うのかも知れない。


二幕目は、有名な「雪の下浜松屋の場」と、「稲瀬川勢揃の場」だが、

間にふだんあまりかからない「蔵前の場」があるところが良い!

この場がなければ、玉嶋逸当が何者かよくわからないし、

弁天小僧と日本駄右衛門の思惑がまったく客席に伝わってこない。

それに、結構、「蔵前の場」は、お客さんも大喜びしていた。

そんなに手間のかかる場では無いので、なぜふだんかからないのか疑問。


大詰の場は、結構難しい。

弁天小僧で魅せている芝居の場合、弁天小僧が幕切れに登場しなくなるため、

だれる懸念が。

弁天小僧が最後まで登場する形で幕切れを改変するのも手のような…。



菊之助さんの弁天小僧は当たり役!

色々書いたが、菊五郎劇団の通し狂言はハズレが無くて嬉しい!