◆アンリ・ドマルケット(チェロ)/児玉 桃(ピアノ)

ベートーヴェン:チェロ・ソナタ第2番 ト短調 op. 5-2

シューベルト:アルペッジョーネ・ソナタ イ短調 D821




ドマルケットは初見。

非常に知性的な演奏で、チェロ・ソナタ第2番には非常に良く合っている。

朝10時と早い開演だったが、朝一番から素晴らしい演奏を聴くことができて、上機嫌。






◆ミシェル・ダルベルト(ピアノ) シンフォニア・ヴァルソヴィア/ゲオルグ・チチナゼ(指揮)

ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第5番 変ホ長調 op. 73 「皇帝」




ダルベルトの手の内にしっかり入った感じの「皇帝」にひたすら感動!

これも演奏者の変更だったが、非常に嬉しい誤算!

しかも、チチナゼの指揮が良い。

ダルベルトの演奏をしっかりと受け止めながら、オケを完全に掌握しきった感じ。

しかもチチナゼに完全に応えるオケの完成度も素晴らしい!

急遽スケジュールをやりくりしてびわ湖に来て良かったと心から思える演奏だった。






◆アンヌ・ケフェレック(ピアノ)

ヘンデル(ヴィルヘルム・ケンプ編曲):メヌエット ト短調(クラヴィーア組曲第2巻第1番 HWV434より)

ヘンデル:シャコンヌ ト長調(クラヴィーア組曲第2巻第2番 HWV435より)

ベートーヴェン:エリーゼのために WoO.59

ベートーヴェン:バガテル 変ホ長調 op.33-1

ベートーヴェン:バガテル ト短調 op.119-1

ベートーヴェン:バガテル ニ長調 op.119-3

ベートーヴェン:バガテル ト長調 op.126-5

ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ 第14番 嬰ハ短調 op.27-2「月光」




当日券でなんとか見ることに成功したケフェレック!

今回、びわ湖に行って良かったと心から思えた。

とりわけ、ヘンデルのメヌエットからシャコンヌに続くあたりは、思わず目頭が熱くなってしまいました。

彼女の演奏には、彼女の人生が凝縮されている感じがします。

凛とした暖かみのある調べに、時を忘れて聞き入っておりました。






◆トリオ・ヴァンダラー(ピアノ三重奏)

ベートーヴェン:ピアノ三重奏曲第7番 変ロ長調 op.97 「大公」




「大公」ってこんな曲だっけ…???

ひたすら激しい「大公」は好き嫌いの分かれるところかもしれません。

アンコールは、ピアノ三重奏曲第2番のフィナーレ。

これは彼らに合った楽曲で、楽しかったです。






◆オリヴィエ・シャルリエ(ヴァイオリン)、シンフォニア・ヴァルソヴィア/ゲオルグ・チチナゼ(指揮)

ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 op. 61




シャルリエのヴァイオリンが秀逸!

この幻想的な旋律はなんだろうと思わせてしまう。

こういうのを神業というのかもしれない。

また、チチナゼの指揮が素晴らしい!

この人は、協奏曲の指揮の際に、その実力を存分に発揮する感があった。

ヴァイオリンはもとより、オケに対しても最大限の敬意を払って指揮しているような感じを受けた。

今回、チチナゼに出会えたことが、びわ湖の最大の収穫と確信した瞬間であった!






◆プラジャーク弦楽四重奏団

ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第15番 イ短調 op. 132

ベートーヴェン:大フーガ 変ロ長調 op. 133




15番、大フーガ、いずれも大きな感銘を受けた。

プラハで活動する彼らだからなのだろうか。

今回の音楽祭のテーマである「ウィーンのベートーヴェン」というのに、まさにマッチした演奏だと感じた。

大フーガがここまで身近に感じることができたのははじめてではないかと思うくらい、非常に明解な演奏という印象を受けた。