富山県民会館で、
「サド侯爵夫人」を拝見してきました。
東京公演は、日程が合わず拝見できなかったので、
半ばあきらめていたのですが、
ちょうど、仕事で来ていた富山で、
拝見できて嬉しかったです。
プロモーターのKさん、
お切符の手配ありがとうございました!
私自身、三島由紀夫の舞台は、
女優さんがやるよりも、
女形(おんながた)さんの方が、
その世界観に埋没できると常々思っていたので、
篠井英介さん、加納幸和さんの共演と聞いた瞬間から、
期待しておりました。
今回、歌舞伎の女形さんではなく、
現代劇の女形さんがなさったのは、
大正解ではないかと思いました。
「サド侯爵夫人」に関しては、その脚本が、
「歌舞伎的だ」という評価が多いように思いますが、
歌舞伎のような完成され尽くした様式美ではなく、
ある意味、様式美として完成途上である
現代劇の女形芸として見せた方が、
心の葛藤がよりリアルに描けるような気がしました。
私自身と致しましては、
三島が、歌舞伎的な部分を新劇に取り入れて、
「サド侯爵夫人」を書いたのではなく、
三島歌舞伎の中で、
表現できなかった部分を、
この「サド侯爵夫人」にぶつけたかったのではないかと感じました
そういった点では、
今回の試みは、演出の鈴木勝秀氏が
「今回の「サド侯爵夫人」は事件である」
とおっしゃった意味がよくわかるような気がしました。
また、音楽をほぼ用いず、
効果音も最小限(私自身、2列目の中央にいましたが、その位置でもかすかにしか聞こえないレベルでした)に
とどめ、あくまでも、
セリフで進行していく展開は、
日本舞踊でいう
「素踊り」
を思わせるものであり、
この「素踊り」を、
3時間近くの長丁場で、
息をつかせず見せきったところに、
役者陣の実力を見せつけられた気がいたしました。
今回の舞台も本当に素晴らしい物でしたが、
今度は、女形の俳優さんだけの
「サド侯爵夫人」を拝見してみたいと思いました。
私も女形さんしてみたくなりました。
シャルロットとかいいですが、
私自身、背が高いもので……