米軍機に比べると知名度も人気度も低そうな欧州機。私自身このキットを買うまではラファールについてはあまりよく知りませんでしたのでお節介ながらここらでひとつ解説しておきます。

 

 1970年台後半、欧州各国は時期新型戦闘機の選定で悩んでました。航空機の開発には莫大な経費と時間がかかりますからもはや一国だけで開発するのは難しい時期となっていたので欧州は共同開発の道を探ります。

 そこでまず発足したのが英独仏で始まったECA(European Combat Aircraft)計画。しかし共同開発は各国の要求仕様や利権が絡むので必ず紛糾します。結局この開発は折り合いがつかず頓挫。それでも各国とも必要に迫られて再び立ち上がったのが英独仏伊西で発足した FEFA(欧州将来戦闘機)計画です。しかしこれも各国の思惑が入り乱れて難航します。

 フランスが一番こだわったのは艦載機型も必要(フランスは米国以外で唯一正規空母を保有)なのでやや小型軽量、さらにそれにベストマッチな自国製エンジンの採用です。これに対し他国は重量より汎用性を重視。また英国は強力な自国製エンジンを主張したため結局また喧嘩別れ、フランスは早々にこの計画から脱退することになります。

 そしてFEFA計画も各国の経済事情から一時はご破算の危機もありましたがなんとか紆余曲折をへて完成に持ち込んだのがユーロファイターであります。

 

 脱退したフランスですが、もともとミラージュなど単独で超音速戦闘機を開発する技術をもっていただけに妥協することなく開発に集中。自国の要求も厳しいものでしたが無事クリアして完成したのがラファールです。

 

 こうしてできたユーロファイターとラファールはコンセプト的にはかなり似ていて双発カナード付きデルタ翼、マルチロール(スイングロール)の多目的戦闘機です。外見の大きさはほとんど同じ印象、ただ胴体のボリュームがかなり違うのでラファールのほうが軽いのだということが納得できます。

 

 じゃあ、ユーロファイター とラファールとどっちが優れているの?と言うとユーロファイターは各国の要求をいろいろ取り入れためややちぐはぐなところがあるようです。

 特にレーダーや各種センサーを統合するシステムについてはまだアップデート中?というところがあってラファールに追いついてないところがあるようです。

 ただし馬力はあるので余剰推力はたっぷり、「軽トラックにF1のエンジンを積んだようなもの」と揶揄されるような運動性能です。

 一方でラファールは妥協することなく開発されたのでバランスが非常によく情報処理能力も一級品、運動性もトップクラス。

 実際にスイス空軍が採用にあたってユーロファイター 、ラファール、グリペンの3種を各種方面から入念に検討した結果ほぼすべての点でラファールが抜きんでていました。

 

 フランスとしてはこれを他国に売り込んで(フランスは有数の武器輸出国)元をとりたいところですが今の所採用されたのはエジプト、インドなどごく少数。どうもミサイルなどの兵装関係の問題が絡んでいるようです。

 

 ちなみにユーロファイター 、ラファールともステルス性にもかなり気をつかっているのでF16やF/A18よりはずっとレーダー反射率は低いそうです。

 F35は誇大広告でコストもバカ高なのでこの2機種のほうがオススメだと思いますよ。