OSAKA 48 Hour Film Project 2018 開催! | オヤジカメラマンのブログ

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若い時は京都太秦の撮影所、木枯らし紋次郎、座頭市、必殺仕事人、暴れん坊将軍など撮影助手として、30でCMキャメラマンとして主に大阪で…今迄観た映画など思った事をぼちぼち書きます。

昨日、48h の上映会に行ってきました。大阪芸大チームを少し手伝ったからです。


ただタイトルを見てビックリ⁉️
照明:倉田修次…照明をしたのは橋田君、3回生の映像学科の学生だ。

何故48h❓

昨年から大阪芸術大学映像学科へ撮影技術を担当している豊浦カメラマンがデモで入ったブラックマジック-ポケットシネマ4kを使ってデモ撮りをするため、同じならドラマをという事で監督志望の湯浅君に持ちかけ、ギリギリ間に合う締切直前の48hに応募したらしい。

映像学科は殆どフィルムで教えている。デジタル機材はまだまだ少なく、スタジオ内ではなんとかなるのだが、48h はどんな課題が出されるかわからない…

うちの事務所からカメラ以外ロケでも使える諸々を大阪芸大に運ぶため車を出した。豊浦カメラマンから照明のちょっとしたヒントを教えたってと頼まれた


それで照明を担当する三回生の橋田君と話をする…未だ正式な本は無く、監督は不思議な世界を描きたい…色を使って表現を…ならばセットならこんなんオモロイでって…

 

今芸大に僕の写真学校当時の同級生がスタジオの世話している。橋田君と相談し、諸々使える備品を揃えてもらった。


お題のメールが来た。彼がやりたい事のヒントは与えたが後は彼の手腕だ!


芸大の門限、20時過ぎには解散した。

監督と脚本を携わった主役の福嶋君

は自宅で次の日の本作りをしたらしい。


撮影当日、学校の規定もあり9:00集合、20時に片付け無ければならず…僕は他の仕事が入っていたので16時頃大学に着いた。


既に8割くらいの撮影は終わっていたので何も言わず見学をしていた。


撮影テンポは東映のテレビなみ、殆どワンカットオッケー!

日頃の実習をフィルム撮りしているだけの事はある。


長い間、京都造形芸術大学で教えていたがここまでのテンポは中々出せない。何故ならモニターを監督が見る、そして再生チェックなどのせいもあるからかも知れない。


湯浅監督はカメラの側でキッチリ演技を見ている。出されているモニターを見に来るのは録音部と助監督の学生だった。


学生達がフィルムで撮影をしてる事が活かされていると思った。


今回の作品を大きなスクリーンで観させて貰った。


プロが多い中まずまずの仕上がりだったかも知れない。


湯浅君はじめ学生諸君、大変良く頑張ったと思う。


編集をどれくらいで仕上げたか?は知らないがワンカットオッケー、テーク数も少ないのでそんなにかかっていないように思う。


彼は上映会の舞台でMCのサキちゃんが48時間で仕上げるのは大変だったでしょ?


その答えが

10時間もあれば出来ました

まんざら大ボラでは無い。撮影は実質7〜8時間だったのだ!


橋田照明技師も大変良く頑張った。


僕は殆ど自分で照明をする。 理解のあるカメラマンに照明技師で使って貰った事もある。

光をあて画を描く、本当に喜びを覚える。

彼もそうしたいらしい…

ストラーロ撮影監督

:暗殺者の森、地獄の黙示録、ラストタンゴinパリ、他多数
Writing with Light 光で描く
(撮影技術だけでは無くリモコン調光器など色んな照明器具を開発した事でも知られている)


世界の撮影監督は映画のワンシーンの空気感を作成するのが仕事である。その中で一番大事なのが光である。それを創るのが撮影監督の一番大事な仕事である。


光の角度、質、強さ、色などを創り出す。


日本では本来の撮影監督はなかなか出にくい。ガッファーもいない、キーグリッブもベストボーイも…システムが違うからだ。


撮影監督とは個人により幅は変わる。

メーターを持ちガッファーに指示を出す、照明技師と撮影チーフを合わせた仕事をする人もいるし、それをガッファーに任せる人もいる。


撮影監督(DP)は意思の疎通のため照明設計をし、それをガッファーに渡す。


それをキーグリッブやそれぞれのベストボーイへ、照明機材から特機まで全てその設計図に従い用意が始まる。所謂技術的な監督を一人で行う。


僕は撮影所の撮影助手の時代、コマーシャル現場や撮影所以外の映画でアルバイトの照明助手をやっていた。

その時に先ず必死で照明用語を覚え、色んな照明技師がどのように光をあてているのかを見、また色んな備品も覚えた。


大映京都の中岡源権照明技師に25歳のチーフになった時、「照明を教えてください」と言った時、一瞬怖い顔、それからニヤッと笑って10k玉にトレペを巻いてアタリ方と強さそれと光量、見た目の違いを同じ光量でも方向を変えるだけで見え方は違う。

だからメーターを余り頼りにするなと教わった。


見た目を大事にしなさい。


これから撮影監督を目指すには先ず照明を覚える事が大事だと伝えたい。


僕らの時代、1年間見習いをそれからフィルムローダー、フォーカス、チーフ、早くて10年、殆どそれ以上!


一番大事な20代の感性を…


時代は確実に違う撮影助手で時間を過ごすなら照明助手をして光の質を先ず覚えて欲しい、それから撮影助手をしても良いし、できるなら直接キャメラマンになっても構わないと思う!


学生やこれからこの道に進む技術専攻の人達、自分達だけでするのも良いが先ずはプロの世界に一度飛び込んでその技術を盗んでください。


20代の熱い感性大切にして欲しい。